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 1603年に始まったとされる江戸時代。そのころから将棋のルールは変わっていない。現存する最古の棋譜と呼ばれるものは、今から413年も前に指されたものだが、その内容は実にしっかりとしたもので、現役のトップ棋士からも「ビックリするほど現代的だった」という言葉が出るほど。この最古の棋譜を最新のAIで評価するという企画で、その内容が改めて評価されることとなった。

 ABEMAの企画として行われた今回の解析。用いられたのは藤井聡太二冠(18)をはじめとする2020年の熱戦を彩り、視聴者にわかりやすく伝えてきた「SHOGI AI」だ。解説をタイトル3期、棋戦優勝10回を誇る深浦康市九段(48)、聞き手を中村子女流初段(33)が務めたが、133手の熱戦は実に興味深い内容となった。

 対戦したのは、大橋宗桂と本因坊算砂。大橋宗桂は、駒の並べ方として多くの棋士が用いている「大橋流」の初代になる。また本因坊算砂は囲碁の強者としても有名で、現在のタイトル戦に「本因坊」があるほどだ。

 400年以上も前の将棋ともなれば、おおよそ現在の将棋では見られないようなとんでもない手のオンパレードかと思いきや、そうではない。先手・大橋が7六歩、後手・本因坊が3四歩と角道を開けると、10手目に本因坊が4筋に飛車を振って四間飛車に。最古の棋譜は大橋の居飛車、本因坊の四間飛車という対抗形になった。

 序盤こそ現在では見られない進行だが、対局が進むにつれて現代にもつながる指し手が増えていった。深浦九段も「序盤は違うが、戦いが始まってから現代のプロに通じる部分が多かった。正直、首をかしげるような手がたくさん出るのかなと思っていたが、そんなことはなかった」と解説。さらに「この時代の将棋は中央志向」と指摘。また、5の段まで歩を進める「位取り」に重きを置いた考え方などもあったと語った。

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 ではAIでの解析はどうだったか。端に寄った大橋玉を、本因坊算砂が果敢に攻める展開が続いたが、80手目まで進んだところで、形勢は互角。ただここから大橋宗桂が最新AIでも最善とする手を連発して、形勢は徐々に大橋宗桂に。一時は勝勢と言える勝率90%まで傾いた。ところがこの勝負はすんなり終わらない。中村女流初段も「自然な手」と語ったほどの一手を境にAIの勝率が本因坊算砂に向くと、ここからは二転三転の大激戦。当時このAIがあれば、周囲の人々がこれを見てどれほどドキドキしたかという激戦となり、133手で本因坊算砂が投了、大橋宗桂が勝ちを収めた。

(ABEMA/将棋チャンネルより)

将棋のルールが400年間変わっていないのでAIで解析したらびっくりするほど〇〇だった
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ご本人と一緒に観る 自戦対局
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413年前の将棋の棋譜を最新AIで解析してみたら「ビックリするほど現代的だった」トップ棋士も注目する力戦の強さ

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