TikTokで『香水』の大ブーム、Twitterで異彩放つ長州力、誹謗中傷による事件… 新時代到来、SNSの2020年を振り返る
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 新型コロナウイルスの流行で、“おうち時間”が増加した2020年、強い影響力を発揮したのがSNSだった。新たなスターや流行を生み出した、SNSの2020年を振り返る。

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 「#TikTok流行語大賞2020」で年間大賞に輝いたのは「#きゅんです」。顔出しNGのアーティスト・ひらめが歌う『ポケットからきゅんです』はTikTok界で大流行した。

【映像】2020年TikTok界で話題になった動画

 「TikTok流行語大賞」のノミネートワードには「#時を戻そう」「#タイムワイプ」「#棺桶ダンス」「#エモ動画」などが挙がった。なかでも、2020年は楽曲をアレンジした動画が流行した。

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 「#キンモクセイ」は、4人組バンド・オレンジスパイニクラブの楽曲のアレンジ動画。歌唱動画や、デュエット機能を使って歌詞を飛ばしながら歌う合唱動画が話題となった。

 「#浮気されたけどまだ好きって曲。」は、シンガーソングライター・りりあ。の楽曲。歌詞に共感するユーザーによって反響を呼び、音楽チャートでも上位にランクイン。こちらも、2人で歌詞を交互に歌う、コンビネーション動画がアップされている。

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 『#チャイナアドバイス』は、インディーズバンド・相対性理論の楽曲をクリエイターのロイ-RoE-がカバーし、リバイバルヒットを果たした。お笑いコンビ・ぺこぱのネタでおなじみの「#時を戻そう」は、昔撮影した写真と同じ構図でポージングし、現在とのギャップを楽しむチャレンジだ。そして、「#本気出してみた」は、“本気を出した姿”をスライドショー形式の動画で投稿し、変化・ギャップを楽しむチャレンジ。体重が106キロあった女性が、46キロまで減量した様子など、大きな注目を集めている。

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 そんなTikTok界に、今年新たなブームが。SNSから火がつき、ミュージックビデオの再生回数が1億回を突破した瑛人の『香水』。TikTokでは、お笑いコンビ・COWCOWやレイザーラモンRG西野未姫らなど、芸能人の替え歌動画がブームとなった。

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 そして今年、総合楽曲チャート「Billboard Japan Hot 100」の年間首位を獲得した音楽ユニット・YOASOBIが歌う『夜に駆ける』のアレンジ動画も誕生した。

 TikTokやYouTubeなど、SNSの総フォロワー数が200万人を超えているあさぎーにょは、アコースティックバージョンでカバー動画をアップ。その歌声は、次世代アーティストとして若年層を中心に多くの支持を集めている。

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 アレンジ動画の中には、様々な歌手のものまねを織り交ぜた圧巻のパフォーマンスが。Mr.Childrenの桜井和寿、ゴールデンボンバー鬼龍院翔玉置浩二EXILE ATSUSHIなど、代わる代わる声色を変えてものまねしながら歌うのは、3人組ボーカルグループ・aoiroのメンバーとして活動している松浦航大(27)。フジテレビ系列で12月放送された『ものまね王座決定戦』でも優勝し、今後のさらなる活躍が期待されている。

 そんなTikTok界に、今年ニューヒロインが誕生した。女性部門で日本一、550万人超のフォロワー数を誇る景井ひな(21)だ。これまで様々な“バズり動画”を世に送り出している。

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 今回、ABEMA NEWSにリモート出演してくれた景井が、“バズる動画”を作り続けられる秘訣を明かした。「人間って見て3秒でその動画を見るか見ないかを決めるみたいで、それを知ってから、動画の開始3秒は絶対みんなに興味を持ってもらえるようにしよう、というふうに心がけて動画を作っています」「動画のアイディアは、海外の流行りのものを、誰よりも早く日本に取り入れるようにしています。基本的にTikTokって流行りが3日で終わるんですよ。バズりたいって思っている人は流行りだしたら3日以内に(動画を)撮らないと上にはいけないです」。

 さらに、自ら視聴者層のマーケティングを行うなど、動画をバズらせるための努力は惜しまないという景井は、投稿する時間帯にもこだわりがあるという。「毎日19時に投稿しています。19時はご飯を食べ終わったときや、見たいテレビ番組が始まる前とか、ちょっと一息つく時間が19時ぐらいだと思っていて。なので19時に必ず投稿するようにしています」。

 これからTIkTokを始めようと思っている人に向け、景井はアドバイスを送る。「とにかくたくさん動画を投稿することだと思います。ネタ系だったり、顔を画面にドアップで愛嬌のある可愛い動画を撮ったり、体を張った動画だったりとか、その中で、その方にとってのヒットする何かがあるんですよ絶対。しかもバズったときに日本国内だけでなく、海外の方にも見てもらえたりするんですよ。それがすごい魅力だと思います」。

 2021年は女優業など、新たな分野に挑戦したいという景井。忙しくなってもTikTokの撮影は続けていくそうだ。「私からTikTokをとったら何もなくなるんですよ。TIkTokがなかったら、今こうやって取材を受けていないですし、芸能界にも入れていないですし…。そう考えたときに、TikTokって私にとって何かと言われたら、私そのものなんじゃないかなと思います」。

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 一方、今年最もTwitter上で話題となったことばワードに贈られる「#Twitterトレンド大賞2020」では「コロナ(新型コロナ)」が第1位に選ばれた。

 今回、トレンドTOP5に「鬼滅の刃」などがランクインするなか、新型コロナウイルス関連の2ワードが入るなど、改めて関心の高さを示す結果となった。

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 そんなTwitter界で異色の輝きを放ったのが、「革命戦士」として長年リングで戦い続けてきた、元プロレスラーの長州力(69)。「いまどうしてる?」「え、、誰」「慎太郎いますか?連絡ください!?」など、誰に向けられたかわからない“謎のツイート”を連発。そうした内容が「おもしろ可愛い」と、女子高生を中心に人気が爆発した。

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 そんな長州が今年、満を時してTikTok界にも参入。EDMが流れるなか、小気味よく踊ってみせる動画などを続々とアップし、多くの反響を呼んでいる。来年はどんな動画で楽しませてくれるのか、目が離せない。

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 芸能人の素顔を垣間見ることが出来ると人気のInstagram。今年、女優の浜辺美波(20)や、木村拓哉(48)の長女・Cocomi(19)らが新たにアカウントを開設した。

 男性で注目されているのは今年10月、ジャニーズ事務所を退所した山下智久(35)。現在の仕事内容などをファンに報告する場として活用し、フォロワー数はすでに490万人を超えている。

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 そして新たな投稿をするたびに話題となっているのは、第2子を妊娠中の歌手・浜崎あゆみ(42)。自身のInstagramでは、ふっくらしたお腹の写真を投稿している。

 また今年7月に芸能界を引退した木下優樹菜さん(33)が新たに開設したInstagramには、元夫でお笑いコンビ・FUJIWARA藤本敏史(50)が度々登場。離婚したにも関わらず、2人の仲の良さが話題になっている。

 盛り上がりを見せ続けるSNS。その影響は芸能界にも大きく波及している。

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 「InstagramだったりTwitterだったり、どれだけのファンを持ってらっしゃるかがすごく重要な要素になってきていると思います」。そう話すのは、様々な分野に影響力を持つ情報誌「日経エンタテインメント!」の山本伸夫編集長。「テレビとは違うところで勝負をしていこうという人たちがすごく増えてきている気はしますね。既存のメディアじゃないところでの活動が広がっていくことに伴って、SNSの影響力も増していくと思います」。

 テレビ業界や広告業界でも、キャスティングの際にSNSの影響が出ているそうだ。「テレビを含めた作り手の方や広告業界の方は、『どれだけフォロワーを抱えているか』を見ていると思う。それによって拡散されていくことを期待している」。

 SNSのフォロワー数が重要視される今。山本編集長は、「これからキャスティングされる機会が増える」と注目している芸能人として、お笑いコンビ・しゃかりきの名前を挙げた。

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 しゃかりきは、Instagramに「お母さんあるあるネタ」をアップし、人気に。「電話中はとりあえずOKするお母さん」と題した動画では、電話中の母親に息子が「アイス食べていい?」と尋ねた際、ちらりと振り返り「うん」と短く返事。しかし電話が終わると、「何してんの?これお母さんの」とアイスを取り上げて、「食べていいって言ったじゃん」の反論にも「あんた昨日食べたでしょ?」とまったく取り合わない様子を再現している。他にも「早く帰ってたお母さん」「今なら送るお母さん」「ついでにお願いしてくるお母さん」など、思わず「あるある」と笑ってしまう動画が好評を得て、フォロワー数は現在66万人を超えている。

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 “おうち時間”が増加し、人と繋がれるSNSの重要性が改めて認識された2020年。一方で、SNS上の誹謗中傷がきっかけとなり、やるせない事態に発展するなど、SNSとの向き合い方を考えさせられる1年ともなった。

 SNS上に誹謗中傷を書き込む人物と真正面から向き合ったのが、女優の広末涼子のものまねで人気を博した岡本麻里さん(31)。「人を救える言葉もあるし、人を殺せる言葉もある。そういうことを色々な人にわかってほしいなと思います」。

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 岡本さんは2018年に芸能界を引退し、Webコンテンツ制作や講演を行う自身の会社「minto.」を設立。5歳の男の子のシングルマザーとして、育児と仕事を両立しながら、様々な情報をSNSで発信してきた。

 そんな生活が一変したのは今年6月。一つの投稿をきっかけに、心無い誹謗中傷が始まったという。「私が子どものために絵本を作りたいからアニメを制作している、ということをYouTubeの番組で取り扱った瞬間に(誹謗中傷する)アカウントが出来ていた」「相手にとっては私の活動が嫌だったのかなと思いました」。

 その日から、SNS上で岡本さんを貶めるコメントが急増。その牙はついに家族へも向けられた。「『岡本麻里はウソつきだ』とか、自分の子どもに『生まれて来なければ良かったのに』と言ったとか…。とにかく家族としての、母としてのイメージを悪くしたいのかなと。それがすごく目立ったのが怖かったです」「私を攻撃したいんだろうけれど、それを私の家族を使って言っているんだろうなと思いました」。

 今年の夏、岡本さんは弁護士と相談のうえ、プロバイダに対し「発信者情報開示請求」を行い、誹謗中傷を繰り返す人物を特定し、直接会うことを決めた。

 話し合いの場に現れたのは夫婦で、岡本さんを誹謗中傷していたのは妻だったという。「(書き込むことで)ストレス発散もあるんだろうなと思いました」「本当に私がなくしたいのは、誹謗中傷する心をクリアにしてもらわないと今後も怖いので。そういうところはきちんと対応したいと思いました」。また、誹謗中傷を書き込む人物を特定して感じたこととして、「今までは機械が私を言葉の刃物で刺してくる感覚だったのが、実際に相手と会うとこんな普通の人が、とてつもない凶器の言葉を使うんだなという切なさも感じました」と話した。

 これまで見えない相手と戦い続けてきた岡本さん。しかし、相手を特定出来たことで気持ちに変化が出てきたという。「身近な人が誹謗中傷しているんじゃないかと、自分が周りの人を信じられなくなっちゃう。(誹謗中傷していたのは)そういう人ではなかったので、もう疑わなくていい。周囲の人たちを信じられているのですごくよかったです」。

 そんな岡本さんが、今、誹謗中傷に苦しんでいる人たちに伝えたいことがある。「『我慢する必要はないんだよ』と伝えたい。誹謗中傷のことでこうやって動くと、一部の人たちは『こんなことで開示請求をして』と言うんですけれど、誹謗中傷が犯罪だと広まってくるので、動いてほしいなと思います」。

(ABEMA/『ABEMA NEWS』より)

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