路上プロレス、ケツ特訓、リング上でプロポーズ…世界一自由な団体・東京女子プロレスの大勝負
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(路上プロレスでも存在感を発揮する女子選手たち)

 女子プロレス界でも屈指の人気を誇る東京女子プロレスが、恒例の“イッテンヨン”1月4日の後楽園ホール大会を開催する。久々となるABEMAでの生中継も決まった。2021年は後楽園大会が増え、秋には大田区総合体育館でのビッグマッチも。勝負の年だけに、今まで以上に広く存在が知られることになるだろう。

 東京女子はDDT系列の女子団体として2013年にスタート。既存の人気選手をエースに立てるのではなく、新人だけでのスタートだった。最初は組める試合数が少なく、アイドルのライブと合体した形でのイベントも。逆にそれが団体の個性になった。

 そこから今に至るまで基本的には“鎖国”の団体運営だ。他団体から大物選手が単発で参戦することはあるが、交流戦や対抗戦は行なっていない。その理由を、DDTの“大社長”高木三四郎はこう語る。

「大きいのはプロレスのスタイルや文化の違いですね。東京女子で教えているのは基本的に男子のスタイルであり世界共通のプロレスのスタイル。でも日本の女子プロレスには独特の歴史と文化、その世界での保守本流のスタイルがあって。しかも、その保守本流の女子は男子以上に縦社会だったりもするので。そういう世界では伸びないタイプの個性というのもあると思うんですよ。若い選手がスタイルの違う団体の先輩にアドバイスをされて、混乱してしまうということもある」

 他団体の影響を受けないことで、東京女子はゆっくりとではあるが「ここでしか見られないプロレス」を作り上げ、それがファンに支持された。初期の選手たちは“女子のお手本”がない難しさも味わったが、結果として東京女子プロレスは世界で一番と言っていいくらい自由な個性派集団になった。

 空手をベースとする、強さの象徴ともいうべきエース・山下実優。現シングル王者の坂崎ユカは女子きってのハイフライヤー=空中殺法の使い手だ。

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(ミサヲは試合中に公開プロポーズ)

 その坂崎に1.4後楽園で挑戦するのが辰巳リカ。リングネームをつけたのはおニャン子世代の高木だ。本名がリカだったため「リカと言ったら立見だろ」となり「タツミと言えばプロレスラーなら辰巳だろ」となった。ふざけているようで、しかししっかりとドラゴンスリーパーなどの“ドラゴン殺法”をものにしてもいる。

 リカのもう一つの武器はヒップアタック。こちらは越中詩郎ばりで、実際に越中とチームを組んだことも。黒音まほとのタッグ名は「どらごんぼんば~ず」だった。公開練習で“ケツ特訓”を敢行、ヒップアタックで板を割ってみせたこともある。

 笑いの要素を含めさまざまなアイディアを駆使した試合で、DDTグループの新世代クリエイターとしても期待されるのがハイパーミサヲ。“デスマッチのカリスマ”葛西純とハードコア戦で熱闘を展開、自転車に乗ったままの“階段落ち”を見せたこともあるミサヲは、今年11月にDDT団体スタッフと結婚した。

 しかも試合中、リング上での公開プロポーズでファンにも選手にも関係者にも衝撃を与えた。結婚報告は団体公式サイト、ツイッターにも同時アップ。「あれ聞いてなかったんですよ……」と高木。さすがの自由さである。

 12月のDDTスカイツリー路上プロレスでは、第1試合で東京女子プロレス提供試合が行なわれ、メインの電流爆破マッチにも伊藤麻希と上福ゆきが参戦。選手たちは活躍の幅をさらに広げている。

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(1.4後楽園では坂崎ユカのベルトに辰巳リカが挑戦)

 メチャクチャといえばメチャクチャ。しかし高木は「試合のクオリティはどこにも負けない」と胸を張る。

「特にTDCホール大会のメイン、坂崎vs瑞希は段違いでしたね。上福や渡辺未詩といった、プロレスをまったく知らない状態で入ってきた選手がチャンピオンにまで成長するというのも東京女子のよさだと思います」

 団体代表の甲田哲也は、プロレスを登山にたとえた。

「他団体も東京女子プロレスも、同じ“女子プロレスという山”を登っているのは間違いないです。登頂ルートが違うだけで。“そのルートで登るのは登山じゃない”ということはないはずなので」

 感動も爆笑も同時進行、高木曰く「DDT以上にバラエティ色があってデタラメなところも」という東京女子プロレス。業界全体が上昇ムードの中、その“主役”の一つとして“イッテンヨン”への期待感も大きい。

文/橋本宗洋
写真/東京女子プロレス

東京女子プロレス'21 | 【ABEMA】テレビ&ビデオエンターテインメント
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