公開練習ならぬ異例の「練習公開」 1.22ONE出陣の青木真也「僕の存在感は消せない」

 格闘技界とプロレス界を股にかけ、独自の存在感を示している青木真也が久々のONE Championship本戦出場を果たす。舞台は1月22日のシンガポール大会だ。

 11日には、試合に向けた公開練習をリモートで実施。そこで見せたのは3分5ラウンドのミット打ちだった。遠い間合いのミドルキック、至近距離からの多彩なヒジ打ちなど迫力十分。マスコミ向け公開練習はその後のコメント取材がメインで、練習そのものは“パフォーマンス”的になる選手が多いが、青木はストレートに「練習を公開」した。

「一番マジメにやった公開練習じゃない?」

 そう言って笑った青木。昨年は国内でグラップリングとMMAを1試合ずつ行ない、その一方でDDT参戦、大仁田厚との路上電流爆破マッチも話題になった。“プロレスラー・青木”のイメージも浸透しているからこその“マジ練習”公開だったのかもしれない。その振り幅を大事にしているのだろう。また寝技師の青木が打撃の練習を公開したことについては、こう語っている。

「総合格闘技は試合に出さないところが大切なので。テストには出ないけど教養として持っておくというか。これがあるから不安なく闘える部分もある」

 青木は公開練習という場で単に自分の技術や調子のよさを披露するだけでなく、格闘家としての自身のスタンス、姿勢も示したのだと言っていいだろう。

 1.22ONEで対戦するのはジェームズ・ナカシマ。元LFA王者で、無敗のままONEウェルター級王座に挑戦。その試合では敗れたが、岡見勇信にも勝った実力は評価が高い。

 今回は階級を下げ、ライト級初戦でいきなり青木と対戦。青木は“階級を変えた注目選手の相手”という立場でもある。そんな自分の状況を「窓際」と青木。

「窓際になるとこういう仕事しかこないっすよね。そういう年齢だし、肩叩かれていくんだろうし、排除されていくのが正しいというか、健全だと思いますから」

公開練習ならぬ異例の「練習公開」 1.22ONE出陣の青木真也「僕の存在感は消せない」

 今年38歳、若い選手に追いやられていくのが普通のことだという感覚はある。といって何もせずに排除されるがままでいいとも思っていない。格闘家として生きることを、簡単にやめるわけにはいかない。「試合があると生活に張りが出る」とも。ただ、時代の流れに抗うという感覚でもないようだ。

「抗うというか、言うても僕の存在感は消せませんから。若さも彼のほうがある、勢いも彼のほうがあるのかもしれないですけど、なんだかんだ20歳の頃からこれで生きてますから。その強さ、経験で負けないよっていうところはあるわけで。足はすくってあげたいなと思ってますよ」

 また1年3カ月ぶりのONE本戦出場についても、ことさらに意識はしていないそうだ。

「ONEで青木の試合があるんじゃなく“青木の試合がある”っていうこと。たまたまそれがONEだったと。青木の試合があることが大事で。団体を盛り上げるとか格闘技界を盛り上げるとか言う人がいるけど、基本的にみんなそんなこと思ってないじゃん。自分自身のためにやっていきたい」

 日本でもシンガポールでも、ONEでも路上プロレスでも、そこにあるのは“青木真也の試合”であり“青木真也の表現”。すべて同じものではないが、違うからこそ表現に幅が出る。自分より若くて勢いのある、階級が上だった選手が相手であても、試合の“主語”が青木真也であることは譲らない。