「イノシシだ!イノシシ」「え?怖い怖い!」という叫び声の後に聞こえた、「ドン」という鈍い音。
12日、新潟県柏崎市で車の中から撮影されたこの映像。イノシシが雪道を逆走し、なんと車に激突してきたのだ。運転手の男性は「猪突猛進という言葉もありますけど、そのまま突っ込んでくるんだなと思ってびっくりしました。車のこの辺りにぶつかって、何事もなかったようにどこかへ行きました」と話す。
この動画が撮影された8時間後、5キロほど離れた集落で、除雪作業をしていた60代と80代の男性2人がイノシシに襲われケガをした。
さらに、糸魚川市でも。11日に撮影された映像には、6匹のイノシシが車道に出てくる様子が収められていた。糸魚川市ではこの日、3人がイノシシに襲われケガをした。
なぜイノシシの襲撃が相次いでいるのか。長岡技術科学大学の山本麻希准教授は「たくさん雪が降った年は当然、地面を掘れる場所が非常に限られてくる。道路の場合は雪がないところがあるので、(道路に)出てきてしまうことはある」との見方を示す。餌場が大雪で埋もれてしまったため、餌を求めて人里へ出てきたイノシシが人を襲っているのではないかということだ。
他にも、イノシシは臆病な動物で、除雪機の大きな音などに驚いて人に向かってくることも考えられるという。