「まさに自分自身が不要不急そのもので、存在している価値がないように思え…」

【映像】コロナ禍で俳優らの苦境浮き彫りに

 これは、文化芸術に携わる人を対象に行われた調査に寄せられた声。新型コロナウイルスの影響と現状を調べるため、文化関連の30以上の団体が参加する「演劇緊急支援プロジェクト」が先月31日から今月7日にかけてアンケート調査を行った。回答した人の中で最も多い職業は、約42%の「俳優」。他にも音楽家、演出家やDJなど、職種は多岐に及ぶ。

 「コロナ自粛以前から現在の収入は変わりましたか」という質問には、「75%以下に減った」が35.1%、「50%以下」が39.1%となり、「変わらない」と答えた人は12.4%だった。また、「先々の新しい仕事の依頼」については、「減っている」が57.7%、「全くない」が31.6%となっている。

 こうした状況が影響しているのか、「コロナ禍で死にたいと思ったことはありますか」という質問で、「ある」と答えた人が32.5%にのぼった。調査に寄せられた声では、厳しい現実が浮き彫りになっている。

「生きていくのは、このままの状況ではあと半年が限界です」

「コロナに感染しなくても、死んでしまうんじゃないかと思う」

「コロナ禍で劇場収容人数50%以下であり、チケット収入も少なく、公演すら開催できない」

「コロナ終息後にエンタメ業界の復活が難しくなり、文化的につまらない国になると思う」

 また、文化庁が補助金として打ち出している「文化芸術活動の継続支援事業」についても、手続きの煩雑さや受給のハードルの高さに戸惑う人が少なくない。そして、受給できたとしても運用するための公演が行える状況ではないため、生活は楽にならないと答える人もいた。

 「演劇緊急支援プロジェクト」は今回の調査結果を国に提出し、公的な支援の拡充などを要望している。

 文化芸術に携わる人が置かれる苦境について、アーサー・ホーランド牧師は「不要不急という言葉がよく使われるが、皆さんにとっては“必要緊急”。自分たちの天職として、曲を作って歌を歌う。僕もライブ活動をしているが、この緊急事態宣言で午後8時には全て止めなくてはいけないということで、夜のライブができない。去年ちょうどコロナ禍が始まった時に呼んだ人もキャンセルになって、今回も同じ人を呼んだが、また同じようにキャンセルしなくちゃいけないのかなと思った時に、みんなと相談して早めの時間に行って配信だけはしようということになった」と話す。

 アーサー氏の娘はプロの作詞作曲家で、楽曲提供である程度仕事は入ってくるというが、プロのベーシストである夫はなかなか仕事が入ってこないのだという。「同じミュージシャンでも違う境遇の中にいるという現実があるわけで、まさに自分たちの生き方が揺さぶられている大変な時だ」。

 アンケートの自由記述欄には、「演劇をやることへの周囲からの差別的な考え方が辛い」という声も。アーサー牧師は「ミュージシャンは芸能界の人として好きなことをやっていると思われるが、みんな使命を持ってやっていて、それによって魂が救われるといった人もいっぱいいる。前向きに彼らを応援していって欲しいと思う」と呼びかけた。

 厚生労働省は、悩みを抱えている人に相談窓口の利用(いのちの電話:0570-783-556、こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556)を呼びかけている。

(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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