コロナ禍で初の「共通テスト」 受験生がメンタルを保つための“3つのポイント” 臨床心理士が解説
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 大学入試センター試験に代わりスタートした「共通テスト」が、この週末に全国で一斉に行われた。

【映像】受験生のメンタル維持法

 緊急事態宣言下でも試験が実施されることに、受験生からは「中止になっちゃうかと思ったが、ひとまず安心」と安堵の声。今年は53万5000人が受験し、新型コロナウイルスの感染対策として試験中のマスク着用が義務付けられた。

 しかし、このマスクを巡って失格になった受験生がいる。東京都の会場で、マスクから鼻が出ている受験生に試験官が6回注意したにも関わらず従わなかったため、不正行為とみなし失格にしたということだ。

コロナ禍で初の「共通テスト」 受験生がメンタルを保つための“3つのポイント” 臨床心理士が解説
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 これまでと大きく環境が変わる中での試験は、受験生の精神状態にも影響が及ぶことが考えられる。臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏は、受験生がメンタルを保つための3つの対処法として、次のように解説した。

 「1つ目は、天気予報をよく見ること。冬になると、寒暖差疲労というが、ストレスによる自律神経の乱れが起こりやすくなる。一般的に5度以上の寒暖差があると、交感神経と副交感神経が一定の体温を保つためにものすごく働いて、その蓄積が自覚なく体の不調や精神のバランスにも影響していることがある。“この時期だったらこれくらいの服装でいいだろう”と思わずに、天気予報で最高気温・最低気温をチェックして、その日の温度に合わせた服装をすることが試験前と後でも大事になる。

 2つ目は、“マイルール徹底人間”になること。そもそもコロナ禍でイレギュラーなことが多い中、予定されていたこととはいえ、試験内容を大きく変えるのはかわいそうだと思う部分はある。試験以外でも非常に変化が多い時期に大事なことは、自分で変わらないものを持つこと。日頃の生活におけるルーティンと言ってもいいと思うが、特に試験の時は緊張や不安がある中で、一番簡単にできるのは呼吸法。吸った息の2倍の時間をかけて吐くことで落ち着く、と自分の中で思ってルーティンにすると、試験の時にも役立つかもしれない。それ以外にも、自分の好きな文房具を持つ、このバッグのこの場所に決まった物を入れる、といったマイルールを徹底してやってもらうといいと思う。

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 3つ目は、“やれている自分”メモを取ること。心理学で『セルフ・コンパッション』というが、自分ができていることを列挙して自身に対する優しさを持つことは大事。受験というのはある意味挑戦だが、心理学的にチャレンジ精神を保つためには、自己効力感といって自分の行動に対する自信を保つことが大事になる。とはいえ、自信は一朝一夕に付くものではないので、今自分が持っている自信はできる限り持ち続けてほしい。そういう意味で、やれていないことではなく些細なことでもやれていること、例えば寒い日でも毎日学校に行っている、ちゃんと寝れている、ご飯をちゃんと食べられている、やる気がなくても30分勉強した、この教科は点が取れる、ステイホームで(感染)予防できたといったことを、携帯電話のメモ機能や紙にでも書いて日々蓄積していくと、できたことが自分にも明確に認識されるようになって、挑戦心を保つとともに、自分の実力を最大限発揮することにつながると思う」

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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