22日、政府は新型コロナウイルス特措法や感染症法などの改正案を閣議決定した。感染症法改正案では、入院に応じないなどした場合に1年以下の懲役または100万円以下の罰金を設けた一方、特措法改正案では、緊急事態宣言下で知事の時短営業の命令などに違反した場合、50万円以下の過料が設けられることになる。政府はいずれも来月初旬の成立を目指しているという。また今回の改正においては、宣言発出前においても、まん延防止等重点措置として知事が事業者に対して時短営業や休業を命令でき、違反した場合は30万円以下の過料を設けることができるようになるが、この改正案について、共産党の小池晃書記局長は「相互監視や社会の分断を進めることになり、感染症対策に逆行する」など反発している。
都が発表した今月18日から21日における時短営業の協力状況は、4,644店のうち4,436店。閉店率は全体でじつに96%に上っている。統計学者の鳥越規央氏は数値の発表について「アナウンス効果もある」と指摘。「閉まっているとアナウンスすれば、行かないでおこうと考える人もいる。この高い数値にはそういった効果もある」と述べる一方、今回の調査方法に対する懸念を次のように述べる。
「例えば顧客満足度などの調査では無作為抽出などが原則だが、もしも自分たちが調査しやすい駅に近い場所や歩きやすい場所に固まっているなど恣意的なデータの取り方をすれば、自分たちが願っているような数字に近づく」
時短営業の要請に応じない店舗については、店名公表のペナルティもある。昨年4月から5月にかけては、店舗でクラスターが発生していないにもかかわらず、営業停止に応じないパチンコ店の店名が公表されたが、当時実際に店名を公表されたパチンコ店の社長は「経営が厳しい中できちんと(営業停止を)守ったホールもあったので、多少はバツとして受けなきゃいけないと思ったが、お店の名前だけではなく、せめてこういう状況だから開けているという一文を載せてくれてもいいのではないか」と本音を明かすと「敵がわからない戦いだった」とも述べ「嫌がらせというか、そういう電話だとかが相当数だった」と、店名公表後の風評被害、誹謗中傷の多さについても触れた。
店名公表について異を唱えるのが、自身もネットの中傷被害に苦しんだ経験を持つお笑いタレントのスマイリーキクチだ。スマイリーは「店名公表は、叩いてもいいとピラニアに餌をまくようなもの。委託私刑のような感じだ。政府はコロナウイルスの一定期間と捉えているかもしれないが、悪評は一生付きまとう。店名を公表した時点で後戻りできないところに行ってしまうような気がする」と懸念を示した。
この問題について、NGT48の荻野由佳は「飲食店の方もコロナの感染拡大を良しとして(営業して)いるわけではない。なぜ従わないかというところに、焦点を置いて考えてあげて欲しい」と複雑な心境を明かした。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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