闘い続ける45歳、元女子ボクシング世界王者・ライカ RISE登場も判定負け「まだまだ覚えることがある」
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(久々のRISE登場も判定負け。しかし闘志は衰えていない)

 せつなさを感じさせる闘いだった。

 1月30日に開催された、立ち技格闘技イベントRISEの後楽園ホール大会。その第2試合に、元ボクシング女子世界3階級制覇のライカが出場した。ボクシングで34戦を闘い、近年はMMAに挑戦。またキックボクシングも2戦(2勝)しており、RISEには6年ぶりの出場となる。試合自体は昨年7月以来だ。1976年1月24日生まれ、先日45歳になった。女子格闘技界の大ベテランと対戦したのはJ-GIRLSフェザー級王者の浅井春香。キャリアはライカより浅いが、女子キックにおける“現役度”では上回る。

【映像】闘い続ける45歳 ライカの激闘

 序盤から浅井はライカを丁寧に攻略していった。圧力をかけながらジャブをヒットさせ、頭を下げて接近してくるとヒザ。ローキックも決まる。接近戦で強いパンチを打ちたいライカにとってはやりにくい展開だ。

「キックボクシングやらなくていい」

「キレイにやろうとすんな」

 セコンドのそんな指示を受けて闘うライカ。キックボクシングらしい展開を“壊す”ことが自分の持ち味を出すことにつながるわけだ。

 それをさせない力が、浅井にはあった。結果は3-0の判定でライカの敗北。蹴りによって距離を支配され、自分のほうが得意なはずのパンチも食らってしまった。反応やスピードも遅れ、後手に回ってしまう。

 だが、それでもライカは“タダでは終わらない”という気概を見せた。最終3ラウンド、強引に踏み込んでのパンチがヒット。浅井はヒザで迎撃するがお構いなしで突っ込む。その姿は意地や執念を感じさせた。

 もう若い頃と同じ身体能力があるとは言えないだろう。キックボクシングの最前線で闘うことに疑問を呈する者がいてもおかしくない。ただ、彼女が闘い続けること自体から感じるものがある。

 長いキャリアを経て、今ライカはどんな思いで格闘技に取り組んでいるのか。試合後にインタビューすると、彼女は言った。

「結局(闘うことが)好きだからっていうことかなと思います」

 今回の試合については反省点だらけだ。

「蹴りの練習をしてきたので、もっと出したかったんですけど。でも得意なパンチでいったほうがよかったのか。迷ってしまいましたね。3ラウンドになってようやく掴めてきたかなという感じだったんですけど。もともとスロースターターなので。そこがよくなかった」

 3ラウンド制の闘いに、ライカは慣れていなかった。それを本人は“慣れればもっとできる”と考えている。普段の練習も同じだ。

「総合格闘技もキックも、まだまだ覚えることがあるので」

 プロデビューは2000年。もう20年以上、試合をしてきた。ただキック、総合でのキャリアは7年目。新しいことに取り組んでいる途中だという感覚も強いようだ。見ているこちらとしては驚くしかないが、それが本人の実感なのである。

 いつまで闘い続けるのか。そう聞かれたら「やめたくなったらやめます」と答える。だがまだその時はきていない。今の目標は「キックでも総合でも、とにかく一戦一戦勝つこと」だ。次の試合がいつになるかは分からないが、ライカはチャンスを待っている。もちろん、闘い続けるためには結果を出すしかない。

文/橋本宗洋

RISE 2021 - RISE145 - 第二試合 ライカ vs 浅井 春香 | 無料で動画&見逃し配信を見るなら【ABEMAビデオ】
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