足払いのように軽やかに放ったカーフキックが“パシッ”と乾いた音を場内に響かせた次の瞬間、トップランカーが顔を歪め、真っすぐに崩れ落ちて悶絶。そのまま立ち上がれなくなる衝撃KO決着に、ゲスト解説が「こんなに立てなくなるものですか?」と困惑。素朴な疑問を投げかける一幕があった。
1月30日に後楽園ホールで行われた「RISE145」。京 介と大崎孔稀の対戦は、いま格闘界を席巻するカーフキックでの決着となった。一発で相手が足元から崩れ落ちる破壊的なシーンにネットからは「カーフで仕留めた」「骨が折れたかと思った…」などの反応も寄せられた。
現RISEスーパーフライ級王者である大崎一貴を兄に持つ孔稀は、RISE初参戦こそ敗れたものの、昨年9月の復帰戦で奥脇一哉を右ハイ一閃で鮮やかなKOで下すと、続く12月のサンチャイTEPPEN GYM戦を判定でものにするなど好調を維持している。
一方の京介はRISEスーパーフライ級のランキング3位。奥脇、一樹、須田翔貴と同階級の強豪選手を撃破してきたが、政所仁にKO負けを喫して連勝にブレーキ。ほぼ1年ぶりの試合で注目株の大崎を攻略すれば、2021年の初戦としてはまたとない結果を得ることになる。
試合は1ラウンド開始とともに大崎が速いローを2発、さらにミドルなどキレのある蹴りを打ち込んでいく。京介も重いボディを返すが、すかさず大崎が左右の連打で応戦するなど両者一歩も譲らない展開。手数で上回る大崎に対し、なかなか手が出せない京介。大崎はラウンド後半にカーフ気味のローから、強烈な右ストレートを当てダウンを奪ってみせた。
トップランカーを相手に終始冷静な大崎の試合運びに、この日のABEMAでゲスト解説を務めた白鳥大珠も「(大崎選手は)ダウンを取ると焦ってラッシュをかける選手が多いなか、終始落ち着いている。相当自信を持って戦ってますね」と絶賛。その言葉を裏付けるように2ラウンドに入っても、大崎はジワジワとプレッシャーをかけ、京介をコーナーまで追い詰めてボディ。ボディの連打で対抗した京介に右のカーフキックを打ちこんだ。
一発で真っすぐに崩れ落ち、立ち上がれなくなった京介は、そのまま立てずノックアウト。衝撃的なカーフ決着に白鳥も思わず「またカーフキックですか」とポツリ。清野茂樹アナウンサーが「2021年今、格闘界の大流行カーフキックで仕留めた!」と声を上げると、白鳥は続けて「流行ってますね…」と最近の立ち技やMMAにおける“カーフキックブーム”を実感するように頷いた。
さらに解説席に座ったゲストのキャスターでタレントの福井セリナがカーフキックについて「こんなに立てなくなるものですか?」と驚いたように素朴な疑問をぶつけると、白鳥は「僕も前に試合で3発くらい貰ったことがあるんですけど、試合後に足を引きずってましたね」とカーフキックの威力について経験を交えて語った。
ただ、カーフ1発で決まったように見えた展開に白鳥は「(大崎選手は)試合中ちょこちょこ3発くらい蹴っていたんですよ」とも指摘。視聴者からは「カーフで仕留めた」「骨が折れたかと思った」など、改めてその威力について驚きの声が上がっていた。