プロレスリング・ノアが11年ぶりに開催する日本武道館大会、そのPPV中継ではマット界のレジェンドたちが解説を担当することになった。その一人が天龍源一郎氏。ノアの初期メンバーにとっては、全日本プロレスでの先輩にあたる。
専門誌でプロレス時評の連載も持つ天龍氏は、ノアの武道館“帰還”について「とりあえずの通過点ではあるけど(団体として)よくなっている」と評価。
「コツコツ積み重ねてきて、11年ぶりに武道館。この会場には思い入れがあると思います。武道館まで進出できたことはノアの選手も誇りに思ってるだろうし、新日本プロレス一強ではなく、肉薄するところまで行ってほしい」
また武道館での試合については、現役時代の経験からこんなコメント。
「大会場で超満員になっている客席を見たら、“この大観衆を裏切れない”という気持ちが強くなる。リングから客席を上まで見渡して、びしっと埋まってる観客を見るのはプロレスラー冥利に尽きる。それを現役のレスラーは体感してほしい」
注目するカードは、やはり潮崎豪vs武藤敬司のGHCヘビー級選手権。「武藤の意地」と潮崎の「ノアを背負って立ってメインで迎え撃つ心意気」の闘いだと見ているという。またこの武道館大会では、全日本時代に天龍氏の付き人を務めた小川良成がジュニアタッグ王座の防衛戦を行なう。54歳の小川だが、ノアジュニアの第一線で活躍中だ。
「54歳でベルトを巻いていることも凄いけど、若手を迎え撃ちながらコンディションを作っていくというのが大変なこと。それを乗り越えて武道館でベルトをかけて闘うというのは、本人にとっても励みになってると思う。54歳、業界長くやってれば年を取るもの。精進してるし体のケアもしてるんでしょう」
その一方、今のノアには武道館大会が初体験という若い選手も多い。
「武道館の雰囲気に呑まれずにやってほしい。どういう結果であれ、大観衆が詰めかける武道館大会を経験することは選手にとってプラスになる。存分に味わってほしいですね」
レスラーに対してもスタッフに対しても「全員で武道館をエンジョイしてほしい」と天龍氏。自分自身も「いい試合を見ていい解説をして、視聴者の皆さんと一緒に武道館大会を楽しみたいと思います」とファンへのメッセージも語った。