男子テニス界は新世代への転換点へ…ロシアのATPカップ優勝が暗示する未来
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 2月7日に行われた世界テニス国別対抗戦ATPカップ、ロシア対イタリアの決勝はロシアが2-0のストレート勝ちで勝利。2代目王者に輝いた。

 ロシアが力を見せつけた。終わってみればシングルスナンバー1のメドベージェフと、ナンバー2のルブレフがともに予選グループから無傷の4連勝。シングルス8タテと圧巻の強さでロシアを優勝に導いた。

【映像】優勝セレモニーの様子

 第1試合のルブレフはフォニーニと対戦。リズムに乗らせると手が付けられなくなるフォニーニに対して一分の隙も与えなかった。強力なフォアハンドでウィナーを量産して、わずか1時間1分で完勝。ABEMAで試合を解説していた佐藤文平氏も「ルブレフ、ルブレフ、ルブレフ、それしか感想が出てこない」と、あまりの強さにお手上げ状態だった。

 第2試合にはエースのメドベージェフが登場。相手はダブルス含めて今大会4戦4勝とイタリア躍進の立役者、ベレッティーニ。前日にズベレフと3時間近い死闘を演じたメドベージェフの苦戦も予想されたが、無用の心配だった。パワフルなショットで攻撃を仕掛けるベレッティーニを次々と守備で受け止め、気が付けば切り返す。ベレッティーニの作戦を一つずつ丁寧に攻略していったメドベージェフが次第に差を広げた。

 大会期間中は仲間の試合でもスマホを見てインスタグラムを更新していたルブレフも、優勝が近づくとやや神妙な面持ちでメドベデフのプレーを見守った。最後はメドベージェフが高速サーブを決めて試合終了。昨年の同大会でロシアはベスト4に進出して強さを発揮していたが、国別対抗戦では実に2006年以来15年ぶりとなる頂点に立った。

 8日から行われている全豪オープンでは、そのメドベージェフとルブレフが準々決勝で対戦する組み合わせになっている。トップ選手たちを相手に圧倒した二人の対戦。直接対決に勝った方がそのまま優勝する未来も想像できる。

 ジョコビッチ、ナダル、フェデラーが引っ張ってきた男子テニス界から新世代への転換点が近づいていると言われているが、今回のロシアの優勝はそれを象徴するような大会だった。2021年テニスシーズンは始まったばかりだが、今後も目が離せない。

【映像】優勝セレモニーの様子
【映像】優勝セレモニーの様子