2月11日、チャリティーボクシングイベント『LEGEND』が開催される。井上尚弥をはじめ現役、OBを問わず豪華なメンバーが登場、スパーリングを披露するというこのイベント。数々の“ドリームマッチ”が話題になっているが、その中にデビュー前の選手も混じっている。
武居由樹。K-1の世界王者として活躍し、武尊を抑えて年間MVPを獲得したこともある強豪だ。K-1戦線で5年間無敗を誇った武居はベルトを返上し、ボクシング転向を表明。現在は大橋ジムで練習し、プロテストに合格している。
3月にはボクシングでのプロデビュー戦が決まっている武居だが、その前の腕試しとも言える舞台が『LEGEND』になる。井上とは同じジム、また武居のトレーナーである世界3階級制覇・八重樫東氏も大会に出場。そんな縁からの抜擢だ。
「プロデビュー前に(表舞台に)出れて、内容によってはもっと注目してもらえる。インパクトのあるエキシビションを見せたいです。元K-1チャンピオンがどれだけできるのかと注目してもらえると思うので。ボクシングのリングを経験するいい機会ですね」
ボクサーとしての“お披露目”にもなる『LEGEND』出場についてそう語った武居。ボクシングそのものについては、難しさも楽しさも感じているそうだ。
「難しいですね、ボクシング。違いはリズムだったりスタミナ配分だったりいろいろあるんですけど、一番は攻める時のバリエーションが絞られているので。蹴れない分バリエーションが減りますね。難しいんですけど、でも分かっていたことなので。それも楽しみながらやってます」
今回、『LEGEND』での3分3ラウンドのスパーリングで対峙するのは木村翔。元WBO世界王者だ。腕試しのスパーとはいえ“世界レベル”の腕試しということになる。
スパーリングとはいえ「やるからにはガチンコで」と木村。武居は相手を「ガツガツ前に出る気持ちの強い選手」だと語っている。ボクシング界での実績で言えば天と地の差。しかし武居はまったく臆していない。
「僕はK-1チャンピオンだったので。ただのデビュー前の6回戦ボクサーじゃないぞっていうのを見せたいと思います」
ルールはボクシング。しかし“K-1王者vsボクシング王者”という見方もできる。またトレーナーの八重樫氏は、武居のポテンシャルを非常に高く評価している。トレーナーとして、八重樫氏自身もやりがいを感じているそうだ。
「環境も違うところからきて、いろんな面で注目されがちですけど、それを跳ね返すくらいのメンタリティもあるだろうし、能力的には十分世界に通用するものがあると思います。ベルト獲らせたいですね」
そうそうたるメンバーの中で「暴れたい」という武居。どんなスパーリングになるか分からないが、彼が単なる新人ではないことだけは間違いない。