現在、プロレスリング・ノアのタッグ王座は杉浦貴と桜庭和志が保持している。ともにレスリング出身のベテランで、杉浦は50歳、桜庭は51歳。しかし年齢を感じさせない闘いぶりで常にノアマットを沸かせている。杉浦率いるユニット「杉浦軍」には藤田和之、ケンドー・カシンといったクセの強い実力者たちも。

 2.12日本武道館では杉浦軍として12人タッグ戦で金剛と対戦。タッグ王座防衛戦も決まっている中、杉浦と桜庭に杉浦軍の強さと自由さについて語ってもらった。

(聞き手/橋本宗洋)

――お二人はレスリング時代からのお知り合いだったんですか?

杉浦:いや、PRIDEの時に高田道場さんに練習に行って、それからですね。

桜庭:レスリングだと社会人の大会と学生の大会で違いますからね。階級も違うし。

杉浦:僕は82kgから85で。

桜庭:石澤さんと同じだ。僕68だから。

――同年代のレスリング選手がプロレス入りすると、意識したりもありましたか。

杉浦:下の世代にはないですけど、同世代はありますよね。

――そして今、ノアでその世代が同じユニットになっているという。ケンドー・カシン選手に藤田和之選手と。桜庭選手はノアでの闘いはいかがですか。

桜庭:これまでともまた違った楽しさがありますね。

杉浦:自由にやってるから(笑)。

桜庭:いや、もっとやりたいんだけど……。

杉浦:そこはこっちがダメ出ししながらね。ジャンボ鶴田さんの「オー!」をやっていいかって言うんだから(笑)。そりゃダメでしょ。

桜庭:だって鶴田さんとは同じ中央大学だし。

杉浦:今ノア見てる人は知らないでしょ(笑)。いきなり桜庭和志が「オー!」ってやっても「え?」だよ。

桜庭:試合中に「〇〇やっていい?」ってよく聞くんですけど、だいたい「ダメ。普通にやって」って。

――もともとプロレスファンだけにいろいろやってみたいと(笑)。

桜庭:最近はフィストドロップやれたのが嬉しかったですね。ホーク・ウォリアーの。

杉浦:あれは(マサ)北宮が流血してたからちょうどよかった。基本、自由でいいんですよ。「オー!」以外はね。お客さんに伝わることならやっていいんですよ。お客さんに伝えないといけないから、プロレスは。

桜庭:いや、鶴田先輩は伝わるでしょう

杉浦:そんな師弟関係でもないんでしょ?

桜庭:確かに会ったことはないです(笑)。

――杉浦選手、杉浦軍のメンバーをまとめるのは大変そうですよね……。

杉浦:だから何もしてないですよ。まとまんないから。まとまんないもんだと思ってやってるからストレスもないです。

――桜庭選手も大人数での試合だったりイリミネーションマッチだったり新鮮でしょうね。

桜庭:そうそう。あとはあれやりたいんですよね、綱引き(での対戦相手決定)。

杉浦:また昭和だなぁ。

桜庭:昭和しか見てないんですよプロレス。平成になると自分がレスリングやってたから忙しくて。でも大学時代の最後のほうに「オレなんでレスリングやったんだっけ」と思って。「プロレスやりたかったからじゃん」って、それでUインターに応募したんですよ。

――ルーツとしてはU系、格闘技系というわけでもないんですよね。

桜庭:だからノアでも楽しくできるし。もっと自由でもいいと思うんだけど。

杉浦:いや充分、自由だから。そこは(レスリングでも)フリースタイルだったから。グレコローマンだった俺と組んでちょうどいいんですよ。

桜庭:フリーとグレコのタッグで最強じゃないですか。

――杉浦選手と桜庭選手が2021年にノアのタッグ王者だっていうことからして凄いですし。

杉浦:そこはノアも変わってきてると思うんですよ。前のノアって、他団体の選手から見たら敷居が高い、近寄り難いイメージがあったと思うんですけど。今のノアはいろんなものを取り入れるようになってる。そこにうまくハマったのが杉浦軍で。昔の全日本とか初期のノアだったらありえないユニットですよ。

桜庭:そういえば杉浦軍でノア(所属)って杉浦さんだけ?

杉浦:そうですよ。

桜庭:貫いてるなぁ。

――杉浦選手の中で「新しくなってもこの軸さえあれば」というノアらしさってどこだと思いますか。

杉浦:それはGHCのタイトルマッチを見てもらえれば。ノアの闘いの本質はそこにあるので。

――昨年12月の潮崎豪vs杉浦貴も大激闘でした。年齢とキャリアを重ねる中で、使う技や試合のスタイルに変化はありますか。

杉浦:まあ昔からそんな派手な技を使うタイプでもないですからね。中年'sリフトはヘルニアになってやらなくなったけど、それくらいで。

――見ていてベテランらしさ、老獪さで勝負せずいつも真っ向勝負だなと。

杉浦:それはそうですね。いま言われて気づきました。まだ動けるからでしょうね。

――練習で意識していることはありますか。たとえば息上げ(心拍数を上げてスタミナを強化する)を重視してるとか。

桜庭:息上げは試合中にやってるんですよ。タックル合戦やって。あれで十分、息が上がりますもん。

杉浦:あれはサーキットトレーニングみたいなもんですね(笑)。実戦が練習になってるっていうのはある。

桜庭:週に2回も3回も試合してあれやってたら心肺機能衰えないですよ。普通の50歳じゃ無理。

杉浦:プロレスは試合数多いのがプラスになってるんだ(笑)。

――桜庭選手もQUINTETだったり、常に何かしら試合に出続けてきましたよね。

桜庭:試合があるし、練習もしてますしね。正月も暇だから練習したし。

――タッグ王座の防衛戦もありますが、今後お二人でやりたいことはありますか。

桜庭:まず「オー!」ですね。あと馬場さんのココナツクラッシュもやってみたい。ヤシの実割り。で、俺がやっても割れないみたいな。

杉浦:だからダメだって……。

キャプション

どうしても「オー!」がやりたい桜庭

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