「オリンピックへの愛、思いのある、ひたむきな姿勢を持った人」橋本聖子新会長に、親交のある元JOC春日良一氏がエール
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 「私のミッションは参加者にとっても、国民の皆さまにとっても、安全最優先の大会を実現して、アスリートの皆さんが迷うことなく、この夢の舞台に立てるように、今の社会の空気を変えていくことだと思っている」。

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 きのう開かれた就任会見でそう述べた東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の橋本聖子新会長。JOC職員時代には長野オリンピックの招致活動にも携わり、橋本新会長とも親しいスポーツコンサルタントの春日良一氏はどう見ているのだろうか。話を聞いた。

■「後任は安倍前総理だと思っていた」

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 まず橋本新会長の人となりについて、春日氏は次のように説明する。「トップアスリートの中でも、特に応援したいと思わせるような、すごくひたむきな姿勢を持った人だ。私は日本選手団のお世話をする本部のメンバーとして、彼女が出場したカルガリー、ソウル、バルセロナの大会に参加した。だからオリンピックへの愛、思いについてもよく分かる。コロナの問題があることも含め、国民、都民の心がオリンピックから離れていっている状況で橋本さんがトップに立った。丁寧に説明し、必死になって対策をしていくと思うので、良い方向にいくのではないかなと期待している」。

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 また、その実務能力についても「現役引退後は日本スケート連盟会長などの要職も経験しているし、IOCの選手強化本部長、副会長なども経験している。その意味では組織の運営能力については問題ないと思う。控えめで表にガンガン出て行くタイプではないが、スポーツのためには政治ともちゃんと力を使うというふうに思うので、調整能力についても問題ないのではないか」との見方を示し、「ある意味で“既定路線”というか、“最後は橋本さんに頼むしかないな”という中での人選だったと思う。“おもしろくもおかしくもない”案かもしれないが、“まともな案”だ」と評価した。

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 一方、春日氏自身は適任なのは山下泰裕・日本オリンピック委員会(JOC)会長ではないかと考えていたといい、実際に就任するのは安倍前総理だと思っていたと明かす。

 「今の会長職は本当に大変だ。ジェンダーの問題だけでなく、コロナの問題もある。国民、都民に対して、オリンピックの重要性も伝えないといけない。そういう情熱がある人でなければ無理だと思う。彼女のことをよく知っている僕としては、立派に全うできるだろうと思う一方、そんな大変な仕事をせずとも、五輪担当大臣として政府の方から見守るということでいいのではないかという思いもあった。だからJOC会長としての山下さんと、組織委員会の会長としての山下さんが一緒になれば、と思っていた。ただし政治力学的に見れば、安倍さんになるのではないかと予想していた。官邸との“政治の戦い”もあると思うし、そこを丸く収めるためには安倍さんを出すしかないのではと思っていた」。

■「“妥協”も必要だったのかもしれない」

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 春日氏が“既定路線”と表現した選出プロセスについては、様々な意見も噴出している。ここまでの流れについて、春日氏はどう見ているのだろうか。

 「組織委員会の定款では、会長は35名からなる理事会の互選で選ぶことになっている。だから会社で言えば取締役会である理事会の場であるべき会長の姿を理事たちが議論し、決めていけば良かった。それが本来の姿だし、“透明性”だと思う。ところが組織委員会の運営は森さんが全部やってきたということもあり、理事会も機能していなかった。その森さんも後継のことまで考えて辞任すべきだったが、自ら動いて“川淵さんを”という状況になっているのが報道等で見えてしまった。“それはちょっと違うのではないか”となるのは当然だし、官邸からも透明性を求められることになった。

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 ただ、個人の情報などを守りながら透明性を担保するというのは非常に難しい。そこで選考検討委員会を立ち上げようという方向性になった。それでも政府がコロナ対策で立ち上げた諮問委員会などを見ていても、現実はなかなか難しい。だから予定調和的な考えというか、政府の意向が入りやすいようにしたのではないかと、私は勘ぐって見ていた。結果的に橋本さんになったのを見ると、やはりそういう意図があったのかもしれないと感じている。

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 しかも橋本さんが五輪担当大臣から組織委員会の理事、そして会長になり、理事だった丸川さんが五輪担当大臣という、トレードみたいな形になってしまっている。これも、いわば“森政権”を維持するための方法なのかもしれない。とはいえ、ここまでの準備は森さんの力によって80%くらいのところまで来ていた。今からガラガラポンするというわけにもいかないし、路線を引き継いでやっていくという部分では、こういう“妥協”も必要だったのかもしれない」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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