将棋界に新たな研究法が確立か――。順位戦ではC級1組から来期のB級2組への昇級を決めた若手実力者・増田康宏六段(23)が立った姿勢での研究について、熱く語る一幕があった。海外では既に取り入れられているものだが、果たして将棋界に新たなブームを呼ぶことになるか。
【動画】増田康宏六段が力説するスタンディング勉強法の効果(4時間43分ごろ~)
増田六段が、立ったままの研究について語ったのは、2月18日に行われた竜王戦2組ランキング戦、藤井聡太王位・棋聖(18)と広瀬章人八段(34)の一戦をABEMAで解説していた時だ。聞き手の安食聡子女流初段(46)から、雑誌でも掲載されていたこの研究法について問われた。
安食女流初段 勉強する時にスタンディングスタイルでやるって書いてあったんですけど、意味がわからなかったです(笑)勉強を立ってやるって意味ですか?
増田六段 そのままの意味で、立ってやるってことです。実家にいたころはスタンディングデスクを買って、やっていました。
安食女流初段 何かいいことがあるんですか。
増田六段 座っていると腰とかに負担がかかるんですが、立っているとそれがなくなるんですよ。
将棋の棋士ともなれば、1日に10時間以上も座って戦うことがある。膝、腰への負担は大きく、ここの痛みによって現役生活を諦める者も出るほどだ。また、立って学ぶ方が眠くなりにくい、脳への血流が上がるといった説も出ている。
増田六段 人は立っているのが一番いい姿勢と言われています。棋士は正座とかで腰を痛めちゃうので、普段から気をつけた方がいいですね。
聞けばなるほど、といった内容だが、質問した本人はあまりピンと来ていない様子だ。
安食女流初段 すごいですね。でも立っている人、1人じゃないですか?(笑)
増田六段 他、いないですかね。
安食女流初段 聞いたことはないですね(笑)
ただ、国内ではスタンディングデスクの販売も行われており、勉強だけでなく仕事の現場でも導入するところが増えている。さすがに長時間立ちっぱなしだと疲れてしまうため、立つ・座るをうまく織り交ぜるというパターンもあるようだ。
現在、プロの対局は基本的に和室で正座がスタイルで、一部の対局ではテーブル・イスに卓上盤があるぐらい。もし立った姿勢でより頭の冴えが増すのであれば、正座対局、イス対局に続く「スタンディング対局」が出てきても、おもしろいかもしれない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)