刺激的なコピーがついた大会が、2月22日に開催される。アジア最大級の格闘技イベントONE Championshipの日本版大会『Road to ONE:4th Young Guns』だ。大会名に『Young Guns』とあるように、この大会は若い選手たちが主役。メインイベントでは21歳の平田樹が中村未来と対戦する。
【視聴予約】22日16時30分～「Road to ONE:4th Young Guns」
平田はABEMAの『格闘代理戦争』で優勝し、ONEと契約した異色の経歴の持ち主。ONEデビュー後3連勝、今後はONEで開催予定の女子アトム級GP参戦も待っている。試合は昨年2月以来。コロナ禍もあり試合が途切れていた。若い時期は試合経験そのものが大きな成長をもたらすだけに、もったいない面はある。
ただ平田は、試合のなかった1年間にも手応えを感じているという。じっくりと地力を高めることができたからだ。
「なかなか試合ができない焦りじゃないけど、悔しい部分はありました。ただ自分のいいところ、悪いところがよく分かった1年でもありました」
最大の成長は打撃。現在、フリーとなった平田はさまざまなジムで練習を行なっており、初めて打撃専門のジムも訪れた。元ボクシング世界王者、内山高志氏の指導を受けているという。
「フリーになって、自分でやらなきゃいけないことが増えて。人に任せっきり、出されたメニューをこなすだけじゃなく自分でメニューを組んで、苦手なことにも取り組んでます」
そのことで心境にも変化があった。
「格闘技に対する思い、練習での思いの部分ですね。試合をするだけじゃなく次につなげる試合、練習してきたことを出せる試合にしたい」
柔道出身でグラウンドを得意とする平田だが、この1年間は打撃に力を入れてきただけに変化＝MMAファイターとしての成長を見せたいところ。
「打撃は別人ですね。前とは全然変わったと思っているので、それを試合で見せられたら。この1年の成長を見てもらいたいです。こんなに練習したのに、いつもどおりで終わったらもったいない」
今回は初のメインイベント、なおかつONEで連勝中の平田を相手の中村が食いに来るという構図だ。
「今までは自分が上の人を引きずり下ろす立場。今回は自分が狙われるんだったら、思う存分突き放してやろうと思います」
出場選手の多くは同世代、年下の選手もいる。格闘技界の未来を担う新世代として仲間意識もあるのかと思いきや、そうではないらしい。
「自分が一番目立って、一番いい試合がしたい。この大会は誰が一番目立つかの勝負だし、最後は自分が締めて“今日は平田樹の日だったな”と言わせたいです」
大会キャッチコピーの「ガキには、未来しかない」は平田自身の言葉。若さが注目されることの多い平田だが「若いね」と言われた時に“目立つのはまだ早い”というニュアンスを感じることもあるという。
「デビューも『格闘代理戦争』からいきなりONEで、周りによく思われないことがあって。普通じゃ考えられないことですからね。でもこれは自分だけの道。自分にしかできないことだと思っているので“まだ若い”と言われても胸を張りたいです」
もちろん平田は成長過程だ。まだまだやることがあり、しかしその時点でONEで活躍できるだけの力があるとも言える。“ガキ”だからこそ、その人生に未来を描く余白が多い。
「ケージに入ったら自分だけの世界」
平田樹の未来は、そこで描かれる。
文／橋本宗洋
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好きな食べ物は炭水化物。試合後は菓子パンを食べまくるそうだ
