再び“お祭り騒ぎ”が起きないよう、本来の目的に立ち返り、地域の状況に合わせた対応を…GoToトラベル、GoToイートの再開、どうする?
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 首都圏を除く6府県の緊急事態宣言について、政府が今週末にも解除する方針であることが伝えられている。そこで再開の機運が高まりそうなのが「GoToキャンペーン」だ。 政府は旅行代金の補助の上限額を下げるなど、旅行者が急激に増えるような事態を防ぐ案を検討している。

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 24日の『ABEMA Prime』に出演した経済産業研究所の中田大悟・上席研究員は「感染状況や医療資源には常に地域差がある。政府としても機械的に緊急事態宣言の解除を判断することは難しく、各地域で独自の判断がなされるのが正しい姿と思う。加えて、緊急事態宣言に伴うコスト(経済ダメージ)とベネフィットも比べていかないといけない。我々が“コロナ慣れ”し、これ以上の行動変容が見られないようであれば、地域別に解除し、別の手を考えるというのも一つの策だ」とした上で、GoToキャンペーンについて次のように振り返る。

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 「本来この事業はポストコロナ、ウィズコロナ時代の安全な旅の模索を補助するという目的の、事業者に対する支援だった。ところが、まるで“お祭り”のような形になってしまい、GoToイートや東京除外の問題も出てきたことで、そうした議論がどこかへ行ってしまった。やはり大都市圏に住む人たちと地方に住む人の行動様式や旅行と一緒くたにしてはいけないし、感染の制御をプライオリティーにしつつ、地域ごとに分けて考えることが大切だ。また、“除外された東京にも早く適用すべきだ”という、“不公平感”の問題も出てきたが、そうした論理を持ち込むのも間違いだった。しかしメディアも含め、この“不公平感”を表に出してしまい、議論が深まらなかった。これも非常に問題だった」。

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 再開にあたっての見直し案の中には、上限額の減額のほか、休日と平日で割引率を変えるアイデアや、地域内の利用についての割引といったアイデアも出ている。

 「案として出ている、上限額を低くするということに関しては、むしろもっと早くやってほしかった。補助額の水準が高すぎるのではないか、それによってハイレベルな宿泊施設等に需要が集中してしまうのではないかということは開始当初から言われていた。当然の見直し策だと思う。まずは上限額を動かすことによって、需要がどれだけシフトするかを見るのも一つの手だろう。現状でもビジネスホテルのような安価な宿泊施設には一定の需要があるものの、さらに零細なところや、マイクロツーリズムを支えてくれるような地場の観光施設にまでは恩恵が及んでいない。そこについては知恵を絞らなければいけない。

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 私としては、GoToトラベルが始まる直前の昨年7月にこの番組で提示した案でもあるが、やはり東京や大阪などの大都市圏や離島、沖縄を除外したままでスタートさせたほうがいいだろうと思う。それに加えて、政府案でも出ている、地域内での観光をサポートするといった、業界への補償を別途考える。大都市圏の再開については、ワクチンの普及状況を見ながら、十分な期間をおいて、ということでいいのではないか。旅行に行った方について私が分析したところ、若者は高齢者に比べ3倍の感染リスクを抱えている。なぜかと言えば時間がある高齢者は平日に、そうでない若者は土日に集中するからだ。昨年8、9月に感染が少なかったのも、そういう理由だったのではないか。その意味では、より細かくやってみてもいいと思うし、国民に議論を投げかけてみることが大事だと思う」。

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 一方、新規感染者が抑えられている宮城県では、昨年12月に停止されていた「GoToイート」が再開されている。

 中田氏は「GoToイートに関しても、事業者の支援をしながら、おいしい食事を粛々といただけるようにする目的だったはずが、やはり市場とのコミュニケーションに失敗してしまい、“お祭り騒ぎ”になってしまった。結果、事業に乗じて無限に食べられる、といった話題ばかりに集中してしまった。宮城県のように、一定の収束が見られている地域が粛々とやっていただくのが良いことだろうと思う。ただ、これが東京や大阪などの、いまだ感染が拡大している大都市圏で騒ぎになってしまうということではいけない。ここは海外にも失敗事例があるし、それを繰り返すべきではない」と指摘。

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 また、GoToキャンペーン事業再開のタイミングについては「必ず反対意見が出てくる政策なので、政府、政治家の決断が必要になる局面がくると思う。早めに再開を圧力は陰に陽にあると思うし、ゴールデンウィークまでには、という気持ちもあると思うが、慌てず、もう少し待っていただきたいと思う。完全に収束することはないし、待ったからと言って国民から広く支持されるわけでもないと思う。それでも去年の7月、10月の二の舞のようにならないよう、“仮の収束”だと十分に言える状況になったことを見計らってスタートさせた方がいい。そして、不確実性を伴うことが事業者にとっては負担にもなる。“こうなった時にはこういった補償を付けるので、こういう手続きしてください”という案内を明確にしておくことも必要だ」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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