ひろゆき氏「そろそろ政府も事実を伝えた方がいい」緊急事態宣言延長も…問題だらけの支援体制
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 菅総理は5日、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県に出されている「緊急事態宣言」について、3月21日まで2週間の延長を発表した。首都圏で続く我慢の日々……はたして新型コロナの感染拡大は抑え込めるのだろうか。ニュース番組『ABEMA Prime』では、専門家を交えて徹底討論した。

【映像】経済損失6兆円? “緊急事態宣言”2週間延長と1カ月延長した場合の比較

 菅総理と新型コロナウイルス感染症対策分科会・尾身会長の会見を受け、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は「予想通りだった」と話す。

「病床(使用)率については新規感染者数、そして重篤な人を減らすことも重要だが、分母の部分の病床を増やすことも重要なポイントだ。緊急事態宣言がなくても病院の機能の強化はできる」

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 また、ひろゆき氏は「尾身会長の話を聞いているとちょっと無理があると思う」と指摘。依然、病床が切迫している事態の中、知事任せのやり方に疑問を呈した。

「私立病院などは今さらベッドも看護師さんも増やせない。患者さんが多い地域から病床の空いている地域への移送が可能になるように法律を変える方が、よっぽど現実性が高い。それは政府や厚生労働省がやるべきことなのに、尾身会長は『各知事がやるべきこと』と言ってしまっている。『病院にベッドや看護師を入れろ』と言われても、2週間で知事がそんなことできるわけがない。政府がやるべきことを、知事の責任にしてしまっている」

 一方で、東洋経済新報社会社四季報センター長の山田俊浩氏は緊急事態宣言の解除について「誰かが責任を負わないといけない。誰も責任取りたくない空気感の中で正常化宣言が先送りされている」とコメント。

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「緊急事態の宣言はリーダーシップがなくてもできる。だが、解除は誰かが責任を負わないといけない。『みんなで議論して決めていきますよ』となると、誰も責任取りたくない空気感の中で正常化宣言が先送りされる。理由は、先送りすれば誰も責任を取らないで済むからだ。その点では、リーダーシップのなさというのを感じる」

 その上で、山田氏は「今の(会見)では、この2週間で政府は何をやることになっているか、わからない」と会見の内容に言及。「菅総理が『縦割りでなっているものは自分の力でなんとかする』と言っていたので、そこで本当に何をするのかが問われている」とした。

■延長された緊急事態宣言 支援体制にも問題

 木内氏は「時短は仕方がないかもしれないが、やはりそれに対する支援体制は問題がある」と意見。

「店の規模に関わらず一定額ということで、非常に零細な飲食店であれば助かるかもしれないが、大手だと全然助からないといった問題もある。今回の緊急事態宣言は飲食店に絞った戦略自体に問題があったと思う」

「飲食店の時短をしても、その影響はいろいろな業種に幅広く出てくる。それに対して、飲食店や飲食店の取引業者だけを支援している。見捨ててしまっている業者も多い中、2回目の緊急事態宣言は『もっとスマートにピンポイントで規制していく』と菅総理は言っていたが、そこ自体が甘かったのだろう」

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 時短協力に応じた飲食店は、一律1日6万円が協力金として支給される。政府のこのやり方にひろゆき氏も「無理がある」と話す。

「零細の飲食店は1日6万円もらえるから『もともとの売上より高くなってラッキー』という人はいると思う。でも、カラオケボックスや花屋などは給付もないし、お客さんも来ないから、潰れざるをえない。ライブハウスもどんどん閉鎖になっていて『飲食店だけお金出しているからいいでしょ』というやり方は、無理があるのではないか」

 また、木内氏は「やはり業種を特定しない形の持続化給付金の方が良かったのではないか」と見解を示す。

「持続化給付金で売り上げが落ちたら業種に限らず支援し、落ちた分を補填する形の方がよかった。それを縮小して、飲食店の協力金だけに集中した。そこがやはり間違いだったと思う。もちろん協力金で助けられる零細飲食店はあるが、一方で廃業や新たな失業者も増えてくるだろう」

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 ひろゆき氏は「そろそろ政府も事実を伝えた方がいい気がしている。尾身会長も今回の会見とは別の場所で『今年中に(新型コロナは)収まる見込みはない』と言っている。ワクチンを先に打っている欧米でも『2年間は無理だよ』と現時点で言っているのに、いまさら一時的な救済措置でなんとかなると思わせるのは良くない」とコメント。

 飲食店などに対して一律に規制するのではなく、柔軟性のある規制を行うことは難しいのだろうか。

 木内氏は「感染が拡がっている、あるいは緊急事態宣言が出ているから何もできないというわけではない。自分で工夫して、感染リスクを下げながら生活、経済活動もしようということ。ただ、そのときにGoToキャンペーンは筋が悪い。GoToトラベルは、補助金を与えて一般の人に『お金を使ってください』という制度。政府がお金を使うのであれば、いま困っている企業や雇用者にお金を使うべき。GoToトラベルが再開される環境には全くない」と現状を分析する。

 緊急事態宣言の2週間延長にはどこまでの効果があるのだろうか。そして、経済にはどのような影響を及ぼすのだろうか。一刻も早い収束が望まれている。

ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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