体重120キロ、分厚い筋肉の鎧をまとった謎のロシア人ファイターが登場。相手を抑え込み、一方的にボコボコと殴り続ける残忍なファイトスタイルに視聴者が一時騒然としたが…レフェリーストップで勝負が決した直後、満面の笑みでエアギター、陽気なダンス、レフェリーや相手セコンドへの深々としたお辞儀などを立て続けに披露すると、印象が一変。「いい人キャラ」「なんか可愛い」「なんてお茶目なんだ!」など驚きの反応が寄せられ、反響を呼んでいる。
3月5日に配信されたONE Championshipシンガポール大会「FISTS OF FURY II」に筋骨隆々のロシア人ヘビー級選手、アナトリー・マリキン(ロシア)が初登場。柔術ファイターアレクサンドル・マチャド(ブラジル)を一方的に殴り倒すブルボッコ状態に視聴者から「もうやめて」など悲鳴が漏れる展開となった。
大迫力のヘビー級、キャリア8戦全勝のマリキンは182センチ120キロ。マッチョで分厚い肉体から繰り出される打撃とレスリング仕込みの寝技、さらには相手を引っこ抜くパワーなど“三拍子”揃ったロシア人ファイターだ。ABEMAでゲスト解説を務めた長谷川賢が「街で会いたくないですね…」と漏らせば、笑顔での入場シーンに実況の西達彦アナウンサーが「笑顔が逆に怖い」など、試合前から緊張感が走った。
実況の「ロシアのフタが開いた」の言葉とともに試合が開始されると、分厚い壁のようなマリキンがマチャドに迫りプレッシャーをかけ、タイのムエタイジムで鍛えた打撃を披露。一発目の右ストレートから「バキッ」と鈍い音が響き、続くミドルキックも巨体からは想像しがたいほど速い。
たまらずタックルで応戦したマチャドだが、あっさりマリキンに切られると、引きずり回すようにがぶられ、バックからあっさりマウントを取られてしまう。マリキンの肉布団のような120キロが上に乗り、サイドポジションからマット・ヒューズ・ポジション(横四方固め)に移行、さらに相手の自由を奪うと打ち下ろしのヒジ。容赦ない攻撃に視聴者も「もう駄目だ」「なぶり殺しだ」「詰んだな」「残り3分もある…」と絶望の声しか聞かれない。
その後も腕を固めながらパンチを打ちやすいポジションを取ったマリキンは、マチャドの頭をポコポコと殴りはじめる。“ゴツ、ゴツ…”と乾いた音が鳴り響くと、解説の大沢ケンジから「かわいそう…」と本音が漏れた。
蜘蛛の巣にかかった虫のようにもがき苦しむマチャドをよそに、再びポジションを固め盤石の体勢に持ち込みタコ殴り状態のマリキン。何もできずに殴られ続ける姿に西アナウンサーも「これは地獄ですね…」と悲痛な言葉を漏らした。
無慈悲すぎるパウンドの連打に「もうやめてあげて」「ギブアップもできない」「タオルを投げて」といった声が高まるなか、淡々と頭を殴り続けるマリキン。すると、全く抵抗できないマチャドの様子をみてレフェリーが試合を止めた。
鬼のように冷徹な強さを見せたマリキンだが、試合ストップの声を聞くと“ニコニコ”笑顔でエアギターを弾きながらダンスを披露。試合中の様子からは想像できない陽気キャラ、さらにレフェリーや相手陣営一人ひとりに対してペコリと頭を下げて回る礼儀正しいナイスガイに、視聴者からは驚きと困惑の声が上がった。
さらに勝利者インタビューでマリキンが“元ボールルームダンサー”だったという意外な経歴も明らかになり、可愛らしい笑顔とともに「僕は英語が下手くそなんで…」とコミカルなジェスチャーを交えながら話しはじめると「なんか可愛い」「なんてお茶目なんだ」「クマみたい」「いい人キャラ」など、そのギャップに調子抜けした反応が寄せられた。
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