カーフキックの“鬼”がまさかの逆転KO負け 「カーフの弱点」が議論に
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 “カーフキックの鬼”から2発、3発と放たれる強烈なカーフキック。「あと1発でいける」など、勝利への期待の声が上がるなか、一発の右ストレートを境にまさかの逆転KO負け。昨年末から日本の格闘界を席巻してきたカーフキックだが、その弱点が垣間見えたショッキングな敗戦に、視聴者を巻き込んで議論が白熱した。

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 3月5日に配信されたONE Championshipシンガポール大会「FISTS OF FURY II」で日本の高橋遼伍が中国のタン・カイと対戦。得意のカーフキックで試合の主導権を握りながらも、タンの強烈な右ストレートからの連打にまさかの逆転負けを喫した。日本人随一のカーフキックの使い手と知られる高橋の敗戦にファンからは「悔しい」「勿体ない」などの声が並んだ。

 高橋は昨年末に日本の総合格闘技界のトレンドにもなった“カーフキック”を早い時期から使用し、相手の足を壊してきた「破壊屋」としても知られる。前回は、飛ぶ鳥を落とす勢いだった「格闘代理戦争」出身のファイターであるユン・チャンミンを打撃で圧倒しKO勝ちしている。対戦相手のタンも3連勝中の打撃巧者、今年のフェザー級タイトル戦線を左右する上位ランカー同士の対決となった。

 序盤は“カーフキックの鬼”の異名どおりの試合運びだった。普段は腰を落としたフォームのタンが高橋の蹴りを警戒するあまりやや腰高気味。足の位置・距離のとり方からも慎重さがうかがえる。それでも高橋が、1発、2発とタンのカーフを捉えると明らかに嫌がっている様子、そこにすかさず3発目をたたき込んだ。

 ABEMAでゲスト解説を務めた長谷川賢からも「もう(タンは)効いてますよ、足が流れましたし」とコメント。その言葉どおり高橋が主導権を握りはじめたかと思われた次の瞬間、試合はあっけない形で幕を閉じることに。

 足のダメージを押して一気に前に出たタンが左、右ストレートのワンツーをヒットさせると高橋がダウン。起き上がろうとする高橋だが腰は砕け、タンがダメ押しの連打を浴びせレフェリーストップとなった。

カーフキックの“鬼”がまさかの逆転KO負け 「カーフの弱点」が議論に
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 1ラウンド119秒、まさかのKO決着だった。“高橋優勢”を一瞬でフイにしたタンの鉄槌を含むパンチ7連打を受け、解説の大沢ケンジは「カーフを狙いすぎて頭が動かなかったのかもしれないですね」と高橋がパンチを被弾した原因を推測。長谷川が「(タンが)斜めにステップしてから真っ直ぐワンツーを打たれて、全然来なくて急に来たからというのもあったかもしれないですね。(高橋の)ガードも下がってましたし…」と解説すると大沢も「打ってくるタイミングじゃないタイミングで来てますね」とスロー映像を確認しながら頷いた。

 「カーフ効いてる」「あと1発でいける」「もう痛いだろ」など、高橋への声援が飛んだ直後の一瞬の逆転劇に視聴者から「勿体ないな…」「油断したかな」「(序盤)上手く行き過ぎたか」など、思わぬ敗戦を惜しむ声が並んだ一方、「カーフ蹴られたから短期決戦に切り替えるしかなかったんだろう」「カーフの攻略はパンチか」などの声。さらに「やはり一発あると怖いな」とタンの破壊力を称える意見も聞かれた。

 今回のカードについて試合前に「やりずらい相手」と語った“嫌な予感”が当たってしまう残念な敗戦。自身のSNSで高橋は試合を振り返り「負け!!自分に心底、失望しましたが現実を受け入れて切り替えてやります!これが自分の現状!(中略)試合は難しい、でもそれがイイ、それでイイ!強くなってカムバックします」と気持ちを切り替え再起を誓った。

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