自民党の選択的夫婦別姓PTの座長に就任か…「石原伸晃議員には“秘書ブロック”された。会って話を聞くべきだ」
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 8日の国際女性デーに合わせて出したビデオメッセージの中で「“すべての女性が輝く令和の社会”の実現に向け、政府を挙げて取り組んでいく」と述べた丸川珠代男女共同参画担当相。

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 ところが自民党所属の国会議員50人が1月30日付で埼玉県議会議長らに宛てた「一部の地方議会で『選択的夫婦別姓制度の実現を求める意見書』の採択が検討されている旨、仄聞しております。同様の意見書が採択されることのないよう、格別のご高配を賜りたくお願い申し上げます」とする文書に署名をしていたことが判明。国会で厳しい追及を受けている。

■石原伸晃議員には“秘書ブロック”された

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 5日の会見では「家族の根幹に関わる法律の制度だと思うから、今の時代にあった答えを導きだしていく、道を開くということが重要ではないかと思っている」とも話している丸川大臣。市民団体「選択的夫婦別姓・陳情アクション」の井田奈穂事務局長は「元アナウンサーでいらしたので弁舌爽やかだとは思うが、話の内容には矛盾がある」と指摘する。

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 「自分の名前で活躍してきたにも関わらず戸籍姓を強いられるので、役員登記や法人登記もできない、特許も取れない、あるいは様々な資格でも使えない女性がいる。一人一人の名前をちゃん認めるということがジェンダー平等の第一歩ではないかと言われているし、指導的地位にある女性を30%に増やすという話もある中、こういうことが活躍の足を引っ張っていると思う」。

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 その上で、選択的夫婦別姓の導入に反対する意見、あるいは慎重な意見に対し「同氏の夫婦もいれば、国際結婚や事実婚、私のように通称使用している別氏の夫婦も存在している。それがいなかったかのように言うのはまさに屁理屈だと思う。また、反対議員の方々は“ファミリーネーム、ファミリーネーム”と仰るが、法的な定義はないわけだ。単位の制度としても1947年に廃止されていて、今の名字は個人名の一部ということになっている。そうなると、私たちの家族のように別姓であってもいいのではないか、ということになる。にもかかわらず、同じ観念を全ての人に共通して持たせようと強いることには疑問がある」と訴えた。

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 また、自民党が近く選択的夫婦別姓に関するプロジェクトチーム(PT)を発足させる方針であることも報じられている。

 井田氏は「嬉しいと思ったが、座長が石原伸晃さんになると聞いている。(私の)地元選出の議員さんなので、これまでに何度も面談を申し込んでいるが、選択的夫婦別姓の話題では当人も秘書さんもお会いすることはないと“秘書ブロック”されてしまっていたので、表面的な議論で終わってしまわないか懸念している。また、問題なのは丸川大臣だけではない。その後ろには50人の議員がいる。男性の議員もいるし、男女共同参画の副大臣もいらっしゃる。女性議員の後ろに隠れて意見を言わず、公開質問状に答えもしないのはよくない。女性議員の方々は前に出ればきちんとお話はしてくださるし、会おうとしてくださるが、当事者から話を聞きもしないで、“困っていないでしょ。通称使用でいいでしょ”と言うのは納得がいかない」と厳しく批判した。

■「このまま導入すれば“分断”が起きる」

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 他方、元経産官僚の宇佐美典也氏は「当事者としては離婚した家族の意見がフィーチャーされがちだが、婚外子も困難を抱えている。戸籍というのは社会的規範で、家族の正しい姿が定義されていると思い込んでいる人がいるために、そこから外れて生まれてきた人が社会から弾かれて生きざるを得ない。そういう人は救わなければならないし、選択的夫婦別姓についても“認めてもいいのではないか”くらいのスタンスだが、今すぐに導入することには反対だ。また、推進派が“反対派は間違っている、私たちが正しい”というのは嫌いだ」と話す。

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 「今のように強力に反対する人がいる中で進めれば、別姓の夫婦が夫婦別姓でない夫婦に対して“自分たちの方が進んでいる”というように見下したり、逆に夫婦同姓にアイデンティティのある夫婦が別姓の夫婦をバッシングしたりするようなことがコミュニティの中で起きてしまうと思う。そうならないためにも、みんなが“そうだよね”と思う理屈ができてから進めてほしい。

 例えばアメリカでの同性婚訴訟の場合、カリフォルニア州で一旦は合法化されたものの、住民投票で覆ってしまった。そして連邦最高裁の審理の過程で“アメリカらしさを認めるのが保守だ。そうであれば同性婚を認めた方がアメリカらしいし、保守らしい」という議論が成熟し、改めて同性婚が認められていくようになった。だから日本でも“迷惑をかけるわけじゃないし、違う人は違えばいい”と進めてしまうのではなく、7~8割くらいの人が“こうすべきだよね”という認識に至ってから進めてほしいと思う」。

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 さらに、戸籍制度について「ドイツの場合は家族単位と個人単位の戸籍登録制度があったが、個人単位の登録の方が使われ、最終的に家族単位の方が無くなっていった。日本も1898年に両方の制度を作ったが、逆に家族単位ばかりが使われ個人が廃止されることになった。当時は家というもので社会保障を管理するというのがあったからだが、いまだにその延長線上というか、その家制度の残滓を引きずっているわけだ。だからもう一度、個人の制度も導入してみて、選ばれた方で制度を作っていけば、選択的夫婦別姓も自然に導入されるのではないか。戸籍を変えようとするから揉めるが、それとは切り離せば済むと思う」と提案していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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