誰もが認める実力派だ。映画『騙し絵の牙』(3月26日全国公開)では主演の大泉洋をはじめ、國村隼、木村佳乃、リリー・フランキーら曲者たちを相手に対等に渡り合っている。進学か就職か、真剣に考えるほど女優として芽が出なかった10代の頃とは比べ物にならないくらい作品に恵まれ、途切れがない。人気実力派という肩書きが与えられた今、売れなかった当時に抱いていた不安や焦りは霧散したに違いない。だが松岡茉優はその肩書きを打ち消すかのように「毎日、いや毎秒、今だって焦っています」と胸の内を明かす。その「焦り」こそ、現在の活躍を支える大きな核でもあるようだ。