回を追うごとに、さらにファンの心を踊らせ続けている人気アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」(以下、リゼロ)。2nd seasonは、前半クールで散りばめられた謎が後半クールで次々と明かされる爽快な展開で、いよいよラストスパートという状況だ。主人公ナツキ・スバルを演じる声優・小林裕介も「見ていてスッキリする話数が多かった」と、ファンと同じ思いを持ちながら放送される日々を過ごしていた。まもなく迎える最終回。後半クールの印象的なシーンや、各キャラクターについて抱いた思いを聞いた。
――謎多き前半クールから、後半クールは「解決編」とも言えるような展開が続きました。ファンの反応など、どう感じていましたか。
小林裕介(以下、小林) 今まで溜まり溜まっていた謎やモヤモヤを、どんどん紐解いて解決していったので、演じていても見ていてもスッキリする話数が多かった印象です。みなさんの反応も、それぞれのキャラクターに対する見方が180度変わるものが多かったんじゃないでしょうか。ガーフィールもそうですし、ロズワールもそうですし。リューズやベアトリスにもこういう過去があったのかと。放送が終わった後、必ずどれかのキャラクター名がTwitterのトレンドに入っていて、それぐらいみなさんの関心がしっかりリゼロに向いてくれているんだなと、うれしく思っていました。
――前半クールの終盤から後半クールにかけては、オットーの活躍が光りました。
小林 オットーには「『信じろ!』って言やぁいいんですよ!」っていうパワープレイ(39話=STRAIGHT BET)でスバルは納得させられていましたけど、僕は正直「本当にそれでいいの?男の友情ってすげえな」と思っていました(笑)ただ実際、過去を振り返ってみると、彼にもいろいろと大変なものがあって、スバルに救われる形で一命を取りとめていました。言ってしまえば義理人情の部分がちゃんと根底にあって、それでスバルの力になりたいと思ってくれていた。しっかりとしたバックボーンがあってのことだったので、余計にオットーのことを信じられるようになりましたし、悔しいですけど「いい奴だな」と思いましたね。
――登場した当初は頼りなさそうな面も多く見られたオットーでしたが、2nd seasonはかっこいいポイントがたくさんありました。小林さんが特にかっこいいと思ったシーンはどこでしょうか。
小林 えー!そりゃ、あそこですよ。ガーフィールと対した時の「代役などはいかがでしょう」です(39話=STRAIGHT BET 終盤のシーン)。痺れますよね。とんでもない自信だと思いました。スバル以上に修羅場をくぐり抜けてきたという箔というものが、こいつにはあるんだと思わされる1カットでした。小林的に「あ、こいつ、何か隠し持っているな」と期待をさせてくれましたね。
――体力、腕力では敵わないガーフィール相手に、そこまで自信を持てたのはなぜでしょう。
小林 オットー本人もスバルに言っていましたけど、誰かを頼ることをしろって言うだけあって、虫や動物たちをふんだんに使って、みんなの協力を得て、ガーフィールに立ち向かって行きましたからね。それに最終的にはラムにも根回しをしている周到さ、ある意味で他力本願というか、でもだからこそ、自分の力が足りなくても勇気が得られたんじゃないかなと思います。みんなを信じていたんでしょうね。
――スバルとガーフィール、お互いの思いのぶつかり合いも見どころでした。
小林 後半クールは「正義と悪」のぶつかり合いじゃなくて、どっちも正しい、「正しさと正しさ」のぶつかり合いなんです。だからスバルも自分の正しさをぶつけて、「そういう正しさもアリなのか」と相手も認める構図になっている。ガーフィールも最終的にはスバルの男らしさなのか、男らしくないところなのか、そういうところに惹かれて仲間になってくれたので、ある意味14歳らしくもありましたね。
――戦いが終わり、14歳であることも判明すると、途端にかわいらしさも見えてきました。
小林 本当にかわいいんですよ。スバルを「大将」と認めてからの顔を赤らめる回数とか(笑)。ガーフィール役の岡本信彦さんのお芝居にもキュンキュンしちゃって「すごい役者さんだな」と思っていました。
――アフレコ現場でも、そのあたりから雰囲気が変わることもありましたか。
小林 ガーフィールとは前半クールも後半クールも掛け合っていましたが、仲がよくなってからの変わり方があまりにも急降下すぎて笑いそうになっちゃって(笑)。僕も引っ張られて変な声になっちゃったこともあるんですが、それも芝居のおもしろさかなと思いましたね。
――聖域でのエキドナ、ロズワール、リューズとの過去が明かされたベアトリスですが、スバルとのシーンもまた大きな見どころとなりました。
小林 「スバルって本当にブレないな」と思ったのが、そのシーンでした(47話=水面に映る幸せ)。「馬鹿か、お前。俺がお前の、その人なんてわけのわからない奴のわけねぇだろ」って(笑)。とりあえずベアトリスを禁書庫から引っ張り出すために、ウソでもつけばいいじゃんと思うんですけど、ウソをつかないじゃないですか。それで結果、事態をややこしくしてるんですけど、変に妥協した行動をしても、なんの解決にもならないことを彼はよく知っているからこそ、絶対に曲げずに、ある種彼のわがままを通すんです。だから「(その人に)なってやれないけど、それ以上にお前のことを大切にしてやれるぞ」と言ったんだと思います。
――こういう時のスバルの言葉には力強さと勢いがあります。
小林 何の根拠もないけれど、本気で言っているんですよ。そういうところは1st seasonの時から変わっていないんですよね。でもあのころだと「何言ってんだ?」という言い回しも、今のスバルだと最高にかっこよく見えるし、不思議な説得力があって。そういうものがベアトリスとのシーンではすごく詰め込まれていますので、僕は気に入っています。ベアトリスもほっとけないキャラクターで、エミリアに近いものを感じるんです。そういうキャラクター好きなんですよね(笑)。
キャラクターたちが持つそれぞれのストーリーが明らかになり、より奥行きを増したリゼロの世界。小林自ら「僕としては本当に感慨深いシーンがあります」と語る最終回までに、もう一度名シーンの数々をおさらいしておくのもよさそうだ。
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会
アニメ『 Re:ゼロから始める異世界生活』放送回一覧(動画リンクつき)
話数 | サブタイトル(タップで動画へ) | 見どころ |
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1 | 始まりの終わりと終わりの始まり | はじめての死に戻り |
2 | 再会の魔女 | 激怒するエミリア |
3 | ゼロから始まる異世界生活 | イケメンがみんなを救う |
4 | ロズワール邸の団欒 | 目覚めると双子のメイドが |
5 | 約束した朝は遠く | 目覚めて気づく死に戻り |
6 | 鎖の音 | 敵の正体はまさかのレム |
7 | ナツキ・スバルのリスタート | 崖から飛び降りリスタート |
8 | 泣いて泣き喚いて泣き止んだから | エミリアたんの膝枕 |
9 | 勇気の意味 | 鬼化して高笑いするレム |
10 | 鬼がかったやり方 | ラムを投擲するスバル |
11 | レム | 「鬼がかってますね」 |
12 | 再来の王都 | 王選候補者・フェルト |
13 | 自称騎士ナツキ・スバル | スバルを拒絶するエミリア |
14 | 絶望という病 | レムに膝枕されるスバル |
15 | 狂気の外側 | 脳が、震える震える |
16 | 豚の欲望 | 霧から覗く巨大な目玉 |
17 | 醜態の果てに | ラムにも忘れられるレム |
18 | ゼロから | 1から、いいえ、0から |
19 | 白鯨攻略戦 | 妻を愛するヴィルヘルム |
20 | ヴィルヘルム・ヴァン・アストレア | ヴィルヘルムと妻の過去 |
21 | 絶望に抗う賭け | 白鯨との戦いが決着 |
22 | 怠惰一閃 | ペテルギウスを撃破…? |
23 | 悪辣なる怠惰 | 体を乗っ取られるスバル |
24 | 自称騎士と最優の騎士 | スバルとユリウス共闘 |
25 | ただそれだけの物語 | 「レムって誰のこと?」 |
26 | それぞれの誓い | 新たな魔女教大罪司祭 |
27 | 次なる場所 | “強欲”の魔女エキドナ |
28 | 待ちかねた再会 | エキドナとお茶会 |
29 | 親子 | 目覚めると現在の日本 |
30 | 踏み出した一歩 | エミリアを抱きしめる |
31 | 少女の福音 | レムと再会するラム |
32 | ユージン | 捕らえられたスバル |
33 | 命の価値 | 兎に食べつくされる… |
34 | らぶらぶらぶらぶらぶらぶゆー | “暴食”の魔女ダフネ |
35 | 地獄なら知っている | ペトラとデートの約束 |
36 | 死の味 | 泣きわめくベアトリス |
37 | 魔女たちの茶会 | 目覚めたらレムが… |
38 | 泣きたくなる音 | “嫉妬”の魔女サテラ |
39 | STRAIGHT BET | パックと契約破棄 |
40 | オットー・スーウェン/信じる理由 | 大きな喧嘩とキス |
41 | クウェインの石は一人じゃ上がらない | “見えざる手”アッパー |
42 | 記憶の旅路 | エミリアの過去の記憶 |
43 | 平家星の笑った日 | “虚飾”の魔女パンドラ |
44 | エリオール大森林の永久凍土 | フォルトナの最期 |
45 | 聖域の始まりと、崩壊の始まり | スバルVSロズワール |
46 | 咆哮の再会 | ラムVSロズワール |
47 | 水面に映る幸せ | 号泣するベアトリス |
48 | 血と臓物まで愛して | エルザと決着のとき |
49 | 俺を選べ | スバルを選ぶベアトリス |
50 | 月下、出鱈目なステップ | スバルとエミリアのダンス |
51 | 劇場型悪意 | おぞましすぎるシリウスの力 |
52 | 氷炎の結末 | 掛け声まで可愛らしいエミリアのバトル |
53 | ゴージャス・タイガー | ガーフィールの男気、ミミの「よしよーし」 |
54 | 都市庁舎奪還作戦 | スバル、渾身のお姫様抱っこ |
55 | 濁流 | “ゲス顔エミリア”の罵倒 |
56 | 騎士の条件 | プリシラの圧倒的火力 |
57 | 最も新しい英雄と最も古い英雄 | 心震わす大演説 |
58 | いつか好きになる人 | 反撃の狼煙が上がる! |