いよいよクライマックスを迎える「Re:ゼロから始める異世界生活」(以下、リゼロ)の2nd season。前半クールで各方面に張り巡らせた伏線を、後半クールで一気に回収するという流れは、ナツキ・スバル役の小林裕介によれば「どこかRPGっぽいところもあった」というほど、爽快感のあるものだった。そんな中で、1st seasonと2nd seasonで大きく印象が変わったキャラクターが大罪司教・怠惰担当のペテルギウス・ロマネコンティ。エミリアの第一の試練で明らかになったジュースと名乗っていたそのキャラクターの悲しい過去と変貌ぶりは、小林の胸に強烈に突き刺さるものがあった。最終回が近づいた2nd seasonの振り返りとともに、悲しき大罪司教についての思いを聞いた。
――謎いっぱいの前半クールから、真相が次々と明らかになる後半クール。小林さんの目にはどう映っていましたか。
小林裕介(以下、小林) 前半クール終了時点で、それぞれのキャラクターの思惑や、起きたことの本当の意味というのが何もわからなかったので、結局「敵なの?味方なの?」と、僕もみなさんもなっていたと思います。誰もがいろいろ知っているようだけど「本当にどこまで知っているの?」という点が多かった中で、キャラクターの過去がどんどんわかるにつれて「こういうことを思っていたんだな」と。それぞれ意見が明確になったことですっきりしたし、そのおかげでスバルにとっても「こうやって解決していけばいいんだ」というビジョンが明確になりました。その次に実際の方法がどんどん確立されて、その解決策がわかる感じで明示していくというのが、すごくわかりやすかったです。どこかRPGっぽいところもありましたね。すごく親切な道筋で解答編を作ってくれているなという気がします。
――各キャラクターの過去が明かされ、印象も変わる中、ファンの心に強く残ったのがジュース(ペテルギウス)についてでした。この点について聞かせてください。
小林 ジュースのシーン(44話=エリオール大森林の永久凍土)を見て、改めて演じている松岡禎丞君のことを大好きになりましたね。僕はアニメでジュースの存在を知りましたが、松岡君はジュースの存在を知ったうえで1st seasonのペテルギウスを演じていたので、本人しかわかり得ない苦しみがあったと思うんです。
――パンドラの罠にかかり愛する人を自ら殺めてしまうという、あまりにつらい現実がジュースの心を壊してしまいました。
小林 ジュースという過去を知ったいまでも、僕は1st seasonでペテルギウスがやったことは絶対に許さないですけど、そこまでに至った過程に関しては、全ての悪はパンドラにあります。怒りの矛先が少しだけ軽くはなりました。でもそれはあくまで僕だけの話ですからね。スバルはわかっていないですし。そういうところも切ないですね。
――ペテルギウスに対しての印象で、他に変わった点などはありましたか。
小林 最近、またペテルギウスが乗り移ったスバルを演じる時があったんですけど、全然心持ちが違いますね。彼がよく叫んでいた「愛に!」の意味が、実はそういうものだったのかと。演じる身としては「なんか知りたくなかったな…」という気持ちもあります。結局「悲しい宿命を背負ったキャラクターばかりだな、リゼロは」と思いましたね。
――真っ直ぐにフォルトナを愛していたからこそ、その反動も強かったのでしょうか。
小林 原作の長月達平先生が「ペテルギウスは大罪司教の中でも一番まともなキャラクターなんですよ」とおっしゃっていたことがあって。「何を言ってるんだ?」とか思っていたんです(笑)。だけど彼の言っている狂気じみた言葉の中には、ジュースの頃の気持ちも含まれている。そう考えるとようやく納得できた気がします。
エミリアの母代わりを務めたフォルトナを愛したジュースは心が壊れ、後にペテルギウスとなりエミリアを想うスバルと戦い、敗れることになったのは悲しき運命。逆にスバルと出会ったことで心を通わせ、仲間となっていくキャラクターも多くいたのが2nd season後半クールの大きな特徴でもあった。小林が「感動を与えてくれるエピソードがギュッと詰め込まれています」と語る大注目の最終回は、果たしてどんなものになっているのか。
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会
アニメ『 Re:ゼロから始める異世界生活』放送回一覧(動画リンクつき)
話数 | サブタイトル(タップで動画へ) | 見どころ |
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1 | 始まりの終わりと終わりの始まり | はじめての死に戻り |
2 | 再会の魔女 | 激怒するエミリア |
3 | ゼロから始まる異世界生活 | イケメンがみんなを救う |
4 | ロズワール邸の団欒 | 目覚めると双子のメイドが |
5 | 約束した朝は遠く | 目覚めて気づく死に戻り |
6 | 鎖の音 | 敵の正体はまさかのレム |
7 | ナツキ・スバルのリスタート | 崖から飛び降りリスタート |
8 | 泣いて泣き喚いて泣き止んだから | エミリアたんの膝枕 |
9 | 勇気の意味 | 鬼化して高笑いするレム |
10 | 鬼がかったやり方 | ラムを投擲するスバル |
11 | レム | 「鬼がかってますね」 |
12 | 再来の王都 | 王選候補者・フェルト |
13 | 自称騎士ナツキ・スバル | スバルを拒絶するエミリア |
14 | 絶望という病 | レムに膝枕されるスバル |
15 | 狂気の外側 | 脳が、震える震える |
16 | 豚の欲望 | 霧から覗く巨大な目玉 |
17 | 醜態の果てに | ラムにも忘れられるレム |
18 | ゼロから | 1から、いいえ、0から |
19 | 白鯨攻略戦 | 妻を愛するヴィルヘルム |
20 | ヴィルヘルム・ヴァン・アストレア | ヴィルヘルムと妻の過去 |
21 | 絶望に抗う賭け | 白鯨との戦いが決着 |
22 | 怠惰一閃 | ペテルギウスを撃破…? |
23 | 悪辣なる怠惰 | 体を乗っ取られるスバル |
24 | 自称騎士と最優の騎士 | スバルとユリウス共闘 |
25 | ただそれだけの物語 | 「レムって誰のこと?」 |
26 | それぞれの誓い | 新たな魔女教大罪司祭 |
27 | 次なる場所 | “強欲”の魔女エキドナ |
28 | 待ちかねた再会 | エキドナとお茶会 |
29 | 親子 | 目覚めると現在の日本 |
30 | 踏み出した一歩 | エミリアを抱きしめる |
31 | 少女の福音 | レムと再会するラム |
32 | ユージン | 捕らえられたスバル |
33 | 命の価値 | 兎に食べつくされる… |
34 | らぶらぶらぶらぶらぶらぶゆー | “暴食”の魔女ダフネ |
35 | 地獄なら知っている | ペトラとデートの約束 |
36 | 死の味 | 泣きわめくベアトリス |
37 | 魔女たちの茶会 | 目覚めたらレムが… |
38 | 泣きたくなる音 | “嫉妬”の魔女サテラ |
39 | STRAIGHT BET | パックと契約破棄 |
40 | オットー・スーウェン/信じる理由 | 大きな喧嘩とキス |
41 | クウェインの石は一人じゃ上がらない | “見えざる手”アッパー |
42 | 記憶の旅路 | エミリアの過去の記憶 |
43 | 平家星の笑った日 | “虚飾”の魔女パンドラ |
44 | エリオール大森林の永久凍土 | フォルトナの最期 |
45 | 聖域の始まりと、崩壊の始まり | スバルVSロズワール |
46 | 咆哮の再会 | ラムVSロズワール |
47 | 水面に映る幸せ | 号泣するベアトリス |
48 | 血と臓物まで愛して | エルザと決着のとき |
49 | 俺を選べ | スバルを選ぶベアトリス |
50 | 月下、出鱈目なステップ | スバルとエミリアのダンス |
51 | 劇場型悪意 | おぞましすぎるシリウスの力 |
52 | 氷炎の結末 | 掛け声まで可愛らしいエミリアのバトル |
53 | ゴージャス・タイガー | ガーフィールの男気、ミミの「よしよーし」 |
54 | 都市庁舎奪還作戦 | スバル、渾身のお姫様抱っこ |
55 | 濁流 | “ゲス顔エミリア”の罵倒 |
56 | 騎士の条件 | プリシラの圧倒的火力 |
57 | 最も新しい英雄と最も古い英雄 | 心震わす大演説 |
58 | いつか好きになる人 | 反撃の狼煙が上がる! |