木村花さん中傷裁判、被告男性は出廷せず…臨床心理士が指摘する「加害者と被害者のギャップ」
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 去年5月に亡くなった木村花さんの母親・響子さんが、長野県在住の男性に対して294万円の損害賠償求め提訴した。22日、第1回の裁判が行われたが、被告男性側は出廷しなかった。

【映像】途中言葉につまりながら…木村花さんの母親・響子さんの会見

 フジテレビの番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さんは、SNS上で誹謗中傷を受け、亡くなった。響子さんは、プロバイダーに情報開示請求をし、投稿者を特定。長野県の男性がTwitterに「あんたの死でみんな幸せになったよ、ありがとう」などと投稿していたとして、男性に対し賠償を求める裁判を起こした。

木村花さん中傷裁判、被告男性は出廷せず…臨床心理士が指摘する「加害者と被害者のギャップ」

 閉廷後の記者会見で響子さんは「本当に心を無にして何も考えないようにして作業をしていたつもりですが、やっぱりちょっと許せなかったですね」とコメント。「本当に花に対してしたことを向き合って考えてほしい」と語っている。

 このニュースに明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖氏は「被害を受けた側の方が訴えて疑問を投げかけることは、ネットを使うすべての人に対しての重要な問題提起になる。大きな悲しみの中で、さらなる負担を引き受けてこのような行動を取られていることに、頭の下がる思いだ」とコメント。その上で加害者と被害者のギャップに言及する。

「加害者の多くは何の気なしに『これぐらい言ってもいいでしょ』と思って書いているし、『言われて当たり前』と考えている人もいる。一方で、被害者が受ける気持ちのインパクトは、加害者が思っている何倍ものダメージになることがほとんど。加害者の男性が裁判に来ていないということは、被害者に対する想像力、労る気持ちがないことと同義だろう。賠償はお金の問題だが、被害者の気持ちを理解する姿勢や意志がないようにみえるのは大きな問題だ」(以下、藤井靖氏)

木村花さん中傷裁判、被告男性は出廷せず…臨床心理士が指摘する「加害者と被害者のギャップ」

 誹謗中傷を受けた人にしかわからない苦しみ。見ず知らずの人から書き込まれる悪口や嫌がらせによって、人の命が失われることもある。

「素性がわからない、得体の人から攻撃される苦しみは、精神的にも多大な影響を受ける。日常生活も阻害されるだろう。ネットじゃなくても、例えば誰かが毎日のように来て家の扉をドンドン叩かれるとか、何度も郵便物や自転車を盗まれるなどということが日常的にあると仮に考えてみると、相手が見えないから気持ちが悪いし、家の外には自分に対するたくさんの敵がいるように錯覚することもありうる。ネット上の攻撃もそれと同じようなこと。

 また有名人であればあるほど、批判の目も集まりやすい。そのネガティブなリアクションが自己評価にもつながってきて、自分の存在を否定されたような気持ちになる。軽い気持ちで(誹謗中傷を)書いている人が、今日この瞬間にもいるかもしれないが、相手がその一言でどのような影響を受けるか、考えないといけない。誰しも、心を強く持てるときもあれば、気弱になることもある。そんなときに投げかけられた一部の人の心無い“一言”で命が失われることもあるのは常に意識すべきでは」

 SNSの普及をきっかけに増加しているネット上の誹謗中傷。自分が加害者にならないためにも、改めてネットのモラルやマナーを考える必要がありそうだ。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

【映像】 木村花さん母親「悔しい」匿名からの攻撃
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