高谷裕之「完全にYES。人生を120%良い物にしてもらった」#格闘技に夢はあるか?
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 LDHが開催する格闘家オーディションに応募した"波乱万丈の人生を生きる金の卵たち=DREAMERS"が、LDH martial artsとの契約をつかみ取り、自らの人生を変える為にサバイバルに挑んでいる。

 ABEMAではその様子に密着し格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』として配信しているが、番組のテーマは「拳でつかみたい、夢がある」。とはいえ、厳しい生き残りをかけ、目の前に訪れる数々の試練を乗り越えた先に、思い描いていた夢は果たして存在するのか…。そこで夢を叶えるべく格闘の世界に飛び込む若者が増えるいま、日本の格闘シーンの一線で活躍する選手や関係者に、「格闘技に夢はあるのか?」という共通のテーマをストレートに投げかけるリレー形式のインタビューを実施。第3回目は元DREAMフェザー級王者で株式会社LDH martial artsの代表取締役を務める高谷裕之氏。気になる彼の答え、胸の内とは――。

― 高谷さんは格闘技に夢はあると思いますか?

もちろんYESです。完全にYES。格闘界ってすごい小さな世界で、僕もそうなんだけど少し変わっていて…格闘技にしか本気になれない。そういう格闘技じゃないと生きていけないだろ、みたいな子たちも大きなチャンスをつかめるのが格闘技だと思うんですよね。

― 「夢=チャンス」ということですか

そう思う。21歳とか22歳の時に有り余る力をどこで発散したらいいかわからなかった。とりあえず格闘技やってストレス発散を…と思ってはじめたんだけど、当初はプロになるとかそういうつもりはまったくなく。でもジムに行ったら面白くて興奮しながら周りのみんなに「格闘技でメシ食っていこうと思って」と電話したのを今でも覚えています。仲間には「なぜ、今までやらなかったのか」と言われたけどね(笑)。

― DREAMでチャンピオンになられました。格闘家としての夢は叶いましたか

目標ってどんどん新しくなっていくじゃないですか。最初は修斗でチャンピオンになることが夢みたいな感じではじめて…DREAMでチャンピオンにはなったけど、次は海外で勝ちたいと思うようになった。その点では、まだ夢が叶えられていないということも言えますよね。100%の満足感が得られたわけではありません。でも僕は格闘技に人生を120%くらいに良い物にしてもらったので、そういう意味ではめちゃくちゃ感謝してる。格闘技に対する恩を返したい気持ちがあって。いまの日本格闘技界で盛り上がりが足りないところを自分もしっかり盛り上げたいという気持ちが強いですね。

― 辛いことがたくさんあったと思いますが、一番しんどかったことは

一番しんどかったのは、やっぱり試合で負けたときの気持ちですかね。恥ずかしくて、外を出歩きたくないって時もありました。そこは格闘技が注目される反面、大変な部分ではあるなと。大晦日とか、皆が見てる前で勝つこともあれば、やられることもある…なかなか反響は大きいですよね。

― それでも続けてこられたというのは、どのような原動力があったからでしょう

俺には格闘技しかないと思っていたので、これでダメだったら俺は終わりだよなっていう感覚でやっていた。あとは「ぜってえ負けねぇ」って気持ちはありました。負けて逃げるのは嫌だったし、絶対逃げないという気持ち、そういう気持ちが強かったです。負けたまま終われないという気持ちもあったし、仮に負けても、自分が負けたと思わなければ負けじゃないんでね。

― チャンピオン以外で格闘家としてのゴールがあるとしたら

格闘技を始めてみて1番大きい変化だなと思ったのが、例えばガキの頃とかは街を歩いてたりして、ちょっと目が合っただけで「こいつ俺より強いのかな?」とかくだらないことをいつも考えてたんですよ。だけど自分が強くなっていくことを実感できると、くだらない意地の張り合いは必要がなくなる。その分、人生が楽になりました。そうして強くなって自信がついたっていうのは、プロになる・ならない以前に、男として心に余裕が持てるようになったということ。それが格闘技の1番の魅力だなと思います。

― 夢を追い続けることは楽しいのか、苦しいのか、幸せなのか…

めちゃくちゃ楽しいと思いますよ。辛いことだとしても、目指しているものに向かっているんだったら、絶対楽しい。僕は19、20歳のときは、何の目標もなくて、つまらないから喧嘩ばかりしているときがあったんで、二度とああいった感覚には戻りたくないですね。

― 『格闘DREAMERS』もしかり、最近どんどん若い子が格闘技を始めている。そんな子どもたちに高谷さんの立場や経験から言葉をかけるとしたら、どのような言葉を

おそらく、格闘家を目指したいと思った時点で、目指せる人だと思うんですよ。その時点で何か夢中になるものを見つけたわけです。それってなかなか難しいことだと思うんです。だからこそ、脇目も振らず頑張ってほしいですよね。格闘技の師弟関係って凄く熱いと思っていて、そんな中でもこの企画に送り出してくれた、それまでの師匠や先輩後輩や仲間達にも結果を出して返してほしい。返せるようにこっちもめちゃくちゃ気合い入れて指導します。僕も自分の企画におくりだしてもらった責任を強く感じますし、僕は人生を良くしてくれた格闘技で生きていくことを決めたので、彼らを強くして世の中に出し、そしてこのプロジェクトを成功させ格闘界を盛り上げることが一番の目標です。DREAMではチャンピオンになりましたけど、本当の意味では世界チャンピオンになれていないので、いつか自分が仕掛けるイベントを世界クラスに持っていきたいですね。もちろんすぐに叶うとは思わないけど、10年でも20年でも、残りの人生が半分だとしたら、その半分を懸けて取り組んでいきたいです。

―「格闘界が盛り上がっている状態」について、イメージがあれば教えてください

国内の大会が大きく盛り上がって、そこから世界を獲りに行く選手が現れる状態を作れたら盛り上がりますよね。または、その大会がもっと大きくなって、世界中から強い選手が集まってくる、みたいな。前のPRIDEみたいに世界の選手が日本に集まってくるという状態が現実になったら、世界の選手からも一目置かれる大会といえるんじゃないかな。それが日本の格闘技界の理想の形なのかな。もう長年LDHに所属しているけど、LDHという会社は何かをはじめたら本気でやる会社だし、自分も本気で取り組んでるのですごいものが作れるんじゃないかとワクワクしていますよ。

ー 『格闘DREAMERS』のプロジェクトが目指す方向性について聞かせてください

1番はUFCのチャンピオンになるような人材の発掘、育成と、そういう人材が120%格闘技に打ち込めるような環境をつくることです。ちょっと有名になったらそれで満足してしまう選手もいると思いますが僕たちは全くそう思っていない。高い志を持たせるように、上をどんどん目指せるような環境を作っていくので期待してほしいです。継続的に皆さんが期待してもらえるような人材を育てていきます。

― プロジェクトにはLDHのアーティストが参加する場面のありますね

LDHのアーティストも今回のプロジェクトに参加してくれているのですが、彼らの本業はアーティストです。日々、EXFIGHTで身体を動かしている彼らは格闘家の強さや日々の努力を知っています。なので、彼らは格闘技や格闘家に対して最大のリスペクトの心をもってこのプロジェクトに参加してくれています。その上で人を喜ばせるのが好きな彼らは自分達が何を求められているかをよく考えて立ち回ってくれていますよ。このプロジェクトを通していつものように「たくさんの人を喜ばせたい」というバイブスみたいなのを彼らの目線で全然いいので、オーディションに参加してる選手達に注入して欲しいですね。格闘技は人に見られてなんぼです。彼らがいる事でより多くの人にみてもらうことができるチャンスが広がるわけですから本当にありがたいです。中には彼らに対して「格闘技をやってもないのに…」みたいな声も聞こえたりしますが、そこは勘違いしないで欲しいと思いますね。

格闘DREAMERS - 本編 | 格闘 | 無料で動画&見逃し配信を見るなら【ABEMAビデオ】
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