4月から高齢者への接種がスタートする新型コロナウイルスのワクチン。6月末までには1億回分が確保できる見通しだというが、昨夏の“第2波”と同等のレベルで感染再拡大し、ワクチン接種が進まなかった場合、東京都では5月中旬に第4波のピークを迎えるというシミュレーション(筑波大学による)もあるという。
一方、接種が急ピッチで進んでいるのがアメリカだ。今週1週間で接種可能なワクチンは過去最高の3300万回分に達する見通しで、バイデン大統領は「ワクチンは十分に確保されている。4月19日までに米国民の成人の9割がワクチン接種を受けられるだろう」と話している。
元外務省職員で感染症内科医の古閑比斗志氏は「トランプ大統領の“ワープ作戦”を継続している。この対応の速さは素晴らしい。まさに“戦時対応”だということだ。感染者数、患者数も減少傾向にあり、集団免疫が確立する直前だと思う。これは6割以上の人が接種することで効果が出てくると言われているが、変異株が出てきていることも考慮して“9割の人に打つ”と考えているのではないだろうか。ワクチン接種後も、日本で言う“3密を避ける”など、基本的な感染対策を続け、大人しくしていただくのがいいと思う」と話す。
また、日本の対応については「日本のメーカーも一生懸命にやっていて、メッセンジャーRNAやベクターウイルスを使った新しいタイプのワクチンの研究開発をしてはいるが、まだ研究段階で実際に使える状態ではなかった。その点、アメリカはワープ作戦を実施し、食品医薬品局(FDA)が緊急的な使用許可(EUA)を出すことによって実際に使えるようにしてしまったが、日本はそういった戦時対応ではないところでスピード感に違いが出てきてしまった。日本は安心・安全な制度があるので、認可までにはどうしても時間がかかってしまう。ただ、海外で作られているワクチンをKMバイオロジクス、武田、第一三共など多くの国内のメーカーが作るということもやっていて、これは国が認可をすればすぐに使えるような形になってくるので、それを利用するという手もあるんじゃないか」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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