目指すは師匠への“恩返し”だ。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」の15チーム目を決めるエントリートーナメントの模様が4月3日に放送され、関東Aブロックで梶浦宏孝六段(25)が優勝、チーム入りを果たした。師匠・鈴木大介九段(46)は、チーム天彦の一員として本大会出場を決めていた。将棋ファン注目の一大企画への参戦を決め、気持ちは既に師弟対決へと向いた。
【動画】梶浦宏孝六段が優勝を決めた一局(2時間19分ごろ~)
竜王戦での活躍で、一気に将棋界でもその名を知らしめた梶浦六段。2020年度の成績は25勝13敗。勝率.658と、ドラフトで指名をされても不思議ではなかった若手実力者が、自力できっぷをもぎ取った。関東Aブロック決勝では、杉本和陽四段(29)の四間飛車に居飛車で対応。「対抗形らしい将棋になったかと思うんですが、形勢はよくわからなかった」と悩んだが、「自分なりに踏み込んでいけたかなと思います」と、勝機を探り続けた。
竜王戦では挑戦権獲得まであると言われた勝負強さはここでも発揮された。前例のない将棋でも、チャンスを見つけると逃さずペースを握り、自陣の堅さもうまく活かして盤石に。反撃の機会を与えないまま勝ち切った。
師匠・鈴木九段とは3月22日に師弟戦を行い、勝利した梶浦六段。今度は超早指しという特殊な環境での対決が期待される。予選ブロックは異なるため、対決するには両チームが本戦トーナメントに勝ち上がる必要がある。ただ、今の梶浦六段には、チームをそこまで引き上げる力が間違いなくある。
◆第4回ABEMAトーナメント 前回までは「AbemaTVトーナメント」として開催。第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦に。ドラフト会議は14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。ルールは持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チーム同士の対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)