「テレビには今も可能性がある。それが正しいことを証明しなければならない」ABEMA開局5周年で藤田晋社長
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 9日放送のテレビ朝日報道ステーション』に(株)AbemaTVの藤田晋社長が出演、開局から5周年を迎えた「ABEMA」の今後の展望について自ら語った。

・【動画】「映像メディアの未来とは?」ABEMA開局から5年

 10代に人気の恋愛番組をはじめ、様々なジャンルの番組を扱っているABEMA。Netflix、Amazon Prime Videoなど、海外のオンデマンド配信事業者が日本国内でも台頭する中、あえてテレビと同じリアルタイムでの放送を中心とした事業展開にこだわってきた。緊急会見があれば、生中継・ノーカットで伝えるなど、地上波には出来ない取り組みも行う。

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 自身も社長でありながら20以上あるチャンネル全ての品質を管理しているといい、番組の会議にも参加し企画の方向性までジャッジ。その過程では、積極的に若手の意見にも耳を傾ける。「5年間、来る日も来る日も視聴に費やしてきた」。運動中も、くつろいでいる時も、あらゆる映像コンテンツをチェックする。

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 結果、アプリの総ダウンロード数は6200万を突破、1週間の視聴者数が過去最多となる約1500万を超えたこともあった。一方で、オリジナルコンテンツへの投資を続けた結果、年間200億円もの赤字を出し続けるなど、経営面では課題も残る。

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 「5年間、憧れとか、ロマンを感じている余裕はなかったですね。簡単に言うと、ABEMAをやめた瞬間、(AbemaTVの親会社の)サイバーエージェントの業績は200億増益するんですよ。だから目の前しか見ていない株主はABEMAをやめてくれって主張してくるんですけど、そういうプレッシャーに負けてはいけない。正しさを証明するしかないんですけど、時間がかかるんですよね」。

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 大切にしているのは、サイバーエージェントの上場以来、何かと相談に乗ってくれたという楽天の三木谷会長の「中長期で投資して、赤字でもいいから信念を貫けよ」という言葉。さらに“攻め”の姿勢の背景にあるのは、既存のテレビに対する“閉塞感”とともに、“可能性”も感じているからだと明かす。

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 「テレビには本当にすごい可能性が今も、これからもあると思っている。ただ、このまま何もしないで同じことをやり続ければ、世代が入れ替り、見る人が減ってしまう。そうなる前に、家に帰ってスマートフォンを見ている若い世代に見てもらえるテレビを作ろう、“やっぱりこういう風にしなきゃいけないんだよ”っていうのを先んじて示さなければと思って、ABEMAを企画した。それが正しいことを、僕は証明しなければならない。いつ黒字化させるかということは、まだ考えていない。メディアを立ち上げるというのは、非常に長い時間軸で見てもらう習慣を作ってかなければならないので、10年がかりの投資。そう考えると、ちょうど半分ぐらい」。

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 そんな藤田社長が今こだわっているのが、リニューアルに向けて開発中の画面だ。当初はリアルタイム視聴のみでスタートしたが、オンデマンドの「ビデオ」機能を追加、今年6月には切り替えずに両方を同時に使えるように大きくリニューアルする予定だ。

 「ネットビジネスをやるんだったら、UI、UXがほぼすべてと言っても過言ではない。Winner takes allっていう言葉があるんですけど勝ったサービスがすべて奪っていってしまう。“とにかく使いやすくて便利”にこだわり抜いて、一番いいものを作ったGoogleが全てを奪っていった。ABEMAも、最終判断をしている僕が使い倒すしかないんですよね。よくNetflixとかと比較されてしまうんですけど、我々はテレビをすごく便利にしていく。そこをブレイクスルーさせていきたいなというふうに思っています」。

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ABEMA TIMES
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