EXILEなど数々の人気アーティストを要するLDHがスタートさせた格闘プロジェクト『格闘ドリーマーズ』では、キャリアも個性もさまざまな若者たちが、LDHとの選手契約をかけ練習と試合に挑んでいる。そんな話題の企画に、RIZINファイターの平本蓮がセコンドとして登場した。弟の丈が飛び入り参加し、試合を行ったのだ。この経験から何を感じたのか、気になる弟の可能性は――平本にインタビューを敢行した。
― 『格闘DREAMERS』に平本選手の弟さんが出場して、セコンドに平本選手が付いたのは驚きました。格闘オーディションという形ですが、実際に味わった現場の雰囲気はどうでしたか。
アウェイ感が凄かった（笑）。自分の試合では緊張しないんですけど、弟の試合ではめちゃくちゃ緊張しましたね。なんかやってあげたいけど、闘うのは俺じゃなくて弟だしなっていう。この感覚は初めてでしたね。前は父親と試合に乗り込んで、自分が闘う側だったので大丈夫だったんですけど。
― 現場の緊張感も凄かったですか。
完全にガチです（笑）。LDHが一緒でも、ポップなノリとか全然そんなのじゃない。
― 弟さんも平本選手と同じで幼い頃から格闘技を？
ほぼほぼ一緒の時期に始めましたね。離れていた時もあったんですけど、なんだかんだ中学3年くらいからまた始めて。この春から高校3年生なんですけど、格闘技オタクだし真面目ですね。
― セコンドとしてはどんなアドバイスを？
「頑張ってこい」というより「一緒に勝とうぜ」みたいなマインドでいきました。格闘技って1人でやるもんじゃないんですよね。そこが大事なところで。リングに上がったら、ケージに入ったら1人なんですけど、でも1人じゃない。意外に孤独じゃないんですよ。チームで勝つ必要があるのが格闘技で。
― 今後は平本兄弟として注目されるかもしれないですね。今は兄弟ファイターも多いですし。
どうだろう（笑）。僕らはセットじゃなくて“単品売り”でやっていけたらいいのかなって思いますね。僕がついて兄弟として売っていく必要がないのかなって。弟は弟で魅力があるので、僕から見ても楽しみなんですよ。これは強くなっていくなって。兄弟ファイターだったら（ニックとネイトの）ディアス兄弟はカッコいいと思いますね。それぞれ単独で個性が立っているから。兄弟っていうよりチームですよね。自分たちの関係も兄弟っていうよりチームですね。あんまり兄弟で遊びに行ったりしないと思うんですけど、僕らはするんですよ。それはチームっていう感覚だからかもしれない。
― 弟さんはどんな性格ですか。
僕より男らしく、さっぱりしてる。あと僕と同じくらい口は達者です（笑）。だから記者会見とかでも注目されるタイプでしょうね。
― 「平本蓮の弟」としてではなくても目立つタイプですか。
ですね、でも鼻につくような感じでもなくて。「あいつ平本蓮の弟だからって調子に乗ってんな」みたいに言われるのが一番嫌なタイプなんですよ。自分の状況を客観視できるセンスがあると思います。だから楽しみだし、自分も頑張らなきゃいけない。『格闘ドリーマーズ』で弟が闘っている姿はどんなプロの試合よりも心を動かされました。心に沁みたっていうかケツを叩かれた感じですね。格闘技って、レベルの高い低いもあるけど一番大事なのは「一生懸命やっているかどうか」だと思うんですよ。みんな一生懸命ではあるんですけど、どこまでガチかっていうのはそれぞれで差が出るので。『格闘ドリーマーズ』はガチでしたね、あれは。
― 聞いた話では、弟さんがもう1人いらっしゃると。
一番下の弟が中1なんですよ。こないだ中2のいとこが家に泊まりに来た時に一緒にいろんなとこ連れていったんです。みんなで美味い飯食って。で、帰り際に進路の話になって。普段あんまり真面目な話はしないんですけど。僕の歳って大学を卒業して就職していく年代なんですよ。勉強して就職してっていう、事務作業じゃないですけど、そういうのは年取ってからでもできるんじゃないかみたいな話はしましたね。「今から本気で格闘技やれば世界一目指せるよ」って。
― やっぱり早い時期から始めたほうがいいですか。
小さい頃から格闘技をやってきてよかったことっていうのをよく聞かれるんですけど、やっぱり日々の積み重ねですよね。お金じゃなく「練習の貯金を怠るな」っていうのは父親からも言われていて。格闘技の練習の積み重ねって貯金だと思うんですよ。最近になってそれに気づきました。
― 人生の貯金になると。
強くなるっていうだけじゃなくて、あきらめなくなりますね。頑張ろうと思える。自分を信じる能力がつくんですよ。「やればできる」って。それはやっぱり子供の時からの精神面の貯金があるからで。総合格闘技を始める時もそうでしたけど、何事にも臆さないというか。積み重ねが勇気をくれるんですよね、大事な時に。だから下の弟にも、どうせだったらやりたいことをやってほしいですよね。
