黙々と盤上に向かうといった印象が強い棋士だが、いざ盤を離れて、しかも仲間を応援するとなれば、思わず悲鳴にも似た声が出る。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Aリーグの第3試合、チーム三浦とチーム稲葉の対戦が4月24日に放送されたが、普段は見せない一面が出たのはタイトル経験もある実力者・三浦弘行九段(47)。リーダーとしてチームメイトの戦いぶりを見守っていたが、窮地に思わず「やべー!やべーよ!」と声を張ると、視聴者も「三浦九段の挙動がおもしろすぎる」と大盛りあがりになった。
実直な性格と、時折見せるユーモアでファンからは「みうみう」と親しまれている三浦九段。インタビューなどでも、常に相手のことを考えながら言葉を選ぶタイプで、棋士仲間からの人望も厚い。今大会は、前年と同じく本田奎五段(23)、高野智史五段(27)を指名。昨年のベスト4以上の成績を目指すべく、さらに高めたチームワークで予選通過を狙っていた。
その三浦九段が、ついつい声が出てしまったのが、第7局の本田五段と久保利明九段(45)の対局。スコア4-2で予選通過にあと1勝と迫っていたものの、本田五段は序中盤を優勢に進めていたが、終盤に入り久保九段の粘りを受けて一転、劣勢に。作戦会議室でモニターを見ていた三浦九段には、本田五段の負け筋が見えてしまっていた。
三浦九段 「なんとかなんないですか!?詰めろだな、とう見ても…やべー!やべーよ!」
棋士が対局中に発する言葉といえば、思わず出るうなり声や「そうかー」など、独り言ばかり。若手、ベテラン関係なく、棋士が「やべー!」と発するところが映像化されること自体、非常にレアだ。
その他の対局でも、三浦九段はリラックした様子で後輩たちの対局を見ては、思うままにリアクションを取り、その様子が逐一、対局の合間に流れた。これに視聴者もその度に「三浦九段w」「挙動がおもしろい」「ネタ化がすごい」と反応。その人柄がもろに出るABEMAトーナメントならではの楽しみを堪能している様子だった。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
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