ドキドキ、ハラハラしっぱなし!チーム糸谷“自由過ぎる”戦いで白星スタート/将棋・ABEMAトーナメント
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 チーム名そのままに、実に自由に戦い、そして勝った。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Bリーグの第1試合、チーム糸谷とチーム菅井の対戦が5月1日に放送され、チーム糸谷がスコア5-2で初を勝利で飾った。リーダー糸谷哲郎八段(32)をはじめ、山崎隆之八段(40)、服部慎一郎四段(21)と、奇想天外・自由奔放な棋風の3人が持ち味をいかんなく発揮。ただ勝つだけでなく周囲をドキドキもハラハラもさせる期待以上の“魅せる将棋”を披露した。

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 「型にはまる」といった言葉から最も遠いところに位置する3人がチームを結成したからこそ、見たことのない将棋が次々と飛び出し、そして勝った。糸谷八段、山崎八段、服部四段。超個性派の戦いぶりは、いきなり視聴者だけでなくチームメイトまでドキドキさせる戦いからスタートした。

 第1局を任されたのは40歳にして初の順位戦A級入りを決めるなど、上昇気流にいる山崎八段。棋戦優勝8回を誇り、早指しには定評があると言われていたが、この持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールでは納得のいく結果が残せていなかった。緊張の中、チーム菅井・深浦康市九段(49)と対戦すると、序盤・中盤とうまく指し、快勝ムードで終盤へ。ところがここから深浦九段の粘りにあい、最終盤はヒヤヒヤの連続。本人自ら「自分でもチキンだなと思う手をいっぱい指した…」と震える内容ながら、チーム初勝利を持って帰ってきた。山崎八段は、この局以外でも独創的な手を連発。相手チームからも「自由ですね!」と驚かれるほどの独自路線を突っ走り、2勝1敗と活躍した。

 先輩の背中を見て、新四段も暴れまくった。服部四段の初戦は、タイトル経験もありA級棋士でもある相手のリーダー菅井竜也八段(29)。思い切ってぶつかるだけと積極的な仕掛けを連発すると、チームメイトからは「思い切りがいいな!菅井先生相手に!」「いいね!さすが、うちの若大将!」と次々に威勢のいい声が飛び交った。結果、敗れはしたものの気持ちよく向かっていったことで緊張から解き放たれたのか、その後の深浦九段との対戦では勝利。1勝1敗で十分に役割を果たした。

ドキドキ、ハラハラしっぱなし!チーム糸谷“自由過ぎる”戦いで白星スタート/将棋・ABEMAトーナメント
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 そして大きな体ながら早見え早指しの実力者である“高速移動の重戦車”糸谷八段も、その力をまざまざと見せつけた。順位戦A級、さらには久々にタイトル挑戦もしたばかりと、調子の良さを超早指し戦でも維持。第4局に初登場し郷田真隆九段(50)とのねじり合いを制すると、第7局では菅井八段とのリーダー対決にも独特の指し回しからペースを握って競り勝ち。変則ながらも地力の強さを見せる快勝で、チームを勝利に導いた。

 スコア5-2と、十分な結果で初戦を制したことに糸谷八段は「ホッとしています。チームメイトは終盤に力強いので、本当に頼りになります」とコメント。作戦会議室での騒ぎっぷりから一変、しっかりとした言葉で締めくくった。上位2チームの予選通過をほぼ確実にしたチーム糸谷。見るまで何が起こるかわからない“自由形”対局は、まだまだ量産されていく。

◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。

ABEMA/将棋チャンネルより)

試合を振り返る両チーム
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山崎隆之本人も震える
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