病床ひっ迫で入院厳しく…「来た時点で肺が真っ白」 大阪の医師が警鐘「第3波以前とは全く別の病気という印象」

 大阪府できょう確認された新型コロナウイルスの感染者は747人と、4日連続で1000人を下回った。今後、第4波のピークは収まっていくのか。医療現場の現状を医師に聞いた。

【映像】大阪の医師が警鐘「来た時点で肺が真っ白」

 「いま大阪府は未曽有の、災害級の事態といっても過言ではないくらいに患者が増えている。ロシアンルーレットのように、どういう患者がいつ重症化するかわからないという日々が続いていて、予測が困難というのが第4波の特長」

 近畿中央呼吸器センターで、呼吸器内科医としてコロナ患者と向き合っている倉原優医師。4月に入ってから「これまでより重症患者が多い」と感じるようになったという。

 「今回の問題は、ホテル・自宅で療養していた人は症状が出ても簡単に入院できたが、今は酸素飽和度が90%を下回っていないとなかなか入院が難しい状況。なので、こちらに来られた時点で肺が真っ白になっている人がほとんどだ。当院は4月以降、第4波が厳しくなってきた印象だが、この1カ月間で100人くらいの患者を受け入れていて、100人のうち78人が酸素を必要とする状態だった」

 人工呼吸器が必要な重症患者が増えると人員が不足し、現場はひっ迫。そんな重症患者をみる病床は限界を迎えている。

 倉原医師が作成した大阪府の病床使用率を示したグラフでは、軽症・中等症の病床使用率と重症の病床使用率がともに3月下旬から急激に跳ね上がり、重症病床の使用率は第2波、3波を大きく超え100%近くになっている。

病床ひっ迫で入院厳しく…「来た時点で肺が真っ白」 大阪の医師が警鐘「第3波以前とは全く別の病気という印象」

 「第3波の終わりごろには病床数をかなり減らしていて、今の病床数はかなり分母が増えているのであくまで参考程度という形だが、大阪府内の今の病床がどのくらいの使用率かを表したグラフ。重要なのが、今回第4波に突入するにあたって重症病床の使用率が急峻に上がっているところ。軽症・中等症から悪くなった人があっという間に重症の方に転院して、あっという間に重症病床が埋まってしまったということを表している」

 これまでにも大きな波があった中、なぜ第4波でこのようになってしまったのか。

 「ウイルスの変異というのは、基本的に人の体で長く生きていけるように弱毒化していくことが多いと思うので、今回なぜ重症化しやすい変異株が出てきたかというところまでは存じ上げない。ただ1つ言えるのは、第4波以降のコロナは“サイトカインストーム(免疫の暴走)”が極めて激烈で、第3波よりも前の新型コロナウイルスとは全く別の病気という印象」

 多くの患者の状況を見た倉原医師の頭をよぎったのが、変異株の存在。肺炎の頻度が高くなっていることを感じ、「一部の患者が肺炎を起こす不気味なウイルス」という認識も変わったという。ある程度の人の流れがあったゴールデンウィークを終えた今、改めて一人ひとりが感染しないよう心掛けて欲しいと訴える。

 「緊急事態宣言になって人出はかなり減ったかなと思ったが、意外に多いという報道があると思う。自分なりの感染対策、手指衛生をこれまで第1波から第4波までずっとやってきたので、感染対策に自信を持っている人が増えてきている。感染対策に自信があっても、このウイルスはどこからでも入ってくる。“ステルス性が高い”というが、水面下で知らないうちに入ってくるということはある。人出が増えてくるとそれだけ感染者数も増えてくるというのは、このウイルスでは避けられないこと。『自分は感染対策ができる』という自信が落とし穴になるという点をご認識いただけたらと思う」

(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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