弁護士の宇都宮健児さんが5日、東京五輪の開催中止を求めるネット署名活動を開始した。開始から2日、すでに20万人超の署名が集まり、話題になっている(※数字は7日15時のデータ)。
【映像】「平和の祭典から逸脱」“五輪中止” ネット署名呼びかけ(2分ごろ~)
宇都宮さんは「この状況で開催すれば『平和の祭典』であるはずの五輪はその理念から大いに逸脱する」として、人々の命と暮らしを守るために東京五輪の開催中止を呼びかけ。米ワシントン・ポスト電子版も「東京オリンピックを中止すべきだ」と報道し、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長を“ぼったくり男爵”と表現。「地方行脚で小麦を食べ尽くす王族のように、開催国を食い物にする悪い癖がある」と主張した。
そんな中、6日、アメリカの製薬大手「ファイザー」から選手、監督、コーチを対象に新型コロナワクチンの無償提供が決定。五輪・パラリンピック担当の丸川珠代大臣は記者団に「安全安心な大会の開催に向けて、重要なもの」と述べ、日本選手団への接種を調整していくとしている。
ついに約2カ月後に迫った東京五輪。過去、アメリカでレスリング(サンボ)と柔道の選手として活躍したアーサー・ホーランド牧師は、自身も「青春時代はオリンピックを目指していた」と明かす。その上で「選手たちは国民と政治家の間で揺れていて、肩身が狭い思いをしているだろう」と参加選手を気遣った。
開催の是非をめぐって議論が巻き起こる中、政府はどのような対応を取るべきなのだろうか。アーサー牧師は「我慢を強いられている中、国民は一生懸命頑張っている。タクシーの運転手も『大変だ』と言っていた。飲食店なども大変な状況にあって、必死に戦っている。政府から国民に寄り添う言葉が、なぜ出ないのか」と疑問。そして「国民に『我慢してください』とお願いしているのに、五輪はやる気でいる。国民が不公平だと思うのは当たり前だ」と訴えた。
「政府の言葉に力がない。同じことをずっと言っているだけ。政治家さんたちは多額の給料をもらっていて、彼らは何の痛みもないが、国民はいろいろな痛みを背負っている。『国民を援助したい』と、寄り添う気持ちさえあれば、国民の心は動く。そういうことが今の政府に一切感じられない。同じ次元で物事を見てくれているのだろうか」
変異ウイルスへの警戒が強まる中、東京五輪・パラリンピックの開催の行く末に注目が集まっている。
この記事の画像一覧


