今月3日、西村康稔経済再生担当大臣がある番組に出演した際「お金は世の中回ってきて自分のところに来るが、1週間分の誰かのウイルスがついていることがある」などと話し「手洗い、消毒は徹底してもらうと同時に、できるだけキャッシュレスでやってもらうのがいい」などと述べた。
この大臣発言を受け、9日にABEMAで放送された『ABEMA的ニュースショー』では、市井に流通している紙幣などに付着する指紋の量を専門家の協力を得て検証。その中で最も多く検出されたのが、タクシーにある紙幣や硬貨であったことを発表した。
その結果を受け、スーパーの食材に不安を覚えるなどとする出演者の声も聞かれたが、元厚労省官僚で元衆議院議員の豊田真由子氏が「誤解を与えないように」と前置きしたうえで、次のように述べた。
「もちろん皆さん、色々なものを触る。だけど、触っただけでは移らない。仮に指紋にウイルスがついていたとして、自分がそれを取ってしまったとする。割と人間は無意識に顔を触るので、目とか鼻とか口とかを触ることで(体内にウイルスが)入ってしまうということ。もちろん接触をゼロにはできないので、大事なのは手を洗って、アルコール消毒をすればシャットダウンできる。ゼロに近くすることはできるので、それがすごく大事」
このように補足説明をした豊田氏はさらに先月5日にアメリカのCDC(アメリカ疾病予防管理センター)が改訂したガイドラインを例に挙げ、接触感染のリスクは、飛沫やエアロゾル感染などに比べたら格段に低いことを指摘。「具体的にいろいろな研究結果があって、接触感染のリスクは1万分5よりも小さい。つまり、1万回触って、5回感染するかしないかの数値。ゼロではないけど、とにかく気を付けるのは飛沫とエアロゾル。マスクをして、換気をして、そこに注力した方がいい」と念押しした。
また西村大臣の発言の真意について考えを問われた豊田氏は「どうしちゃったのかなって…」と漏らすと「たぶんキャッシュレス化とかデジタル化とか、そっちに繋げたかったのだろう。私の界隈の専門家はみんな『何であんなことを言ってしまったのか』となっている」と応じ、真意を測りかねていることを明かした。
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