「本来、こういうことは国がやらないといけない。学校やパチンコ店で流して」堀江貴文氏が“糖尿病の恐怖”を伝える映画を作ったワケ
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 新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを高めるとされる「基礎疾患」。このうち、死亡リスクが2~3倍に高まるとの研究結果もあるという「糖尿病」にかねてから注目、自ら取材し『糖尿病が怖いので、最新情報を取材してみた』という書籍にまとめたのが堀江貴文氏だ。

・【映像】堀江貴文が語る糖尿病のリスク&予防医療の重要性

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 同書の中では「足の感覚が無く、ホットプレートに触れていることに気づかないまま、足が焼けてしまっていた、という患者のエピソードなどを紹介している。

 さらに堀江氏はクラウドファンディングを利用して映画『糖尿病の不都合な真実』を製作、このほど公開に漕ぎ着けた。

 「でも、全然痛くないんだよ」。作品は主人公の男性が足から出血していることに気づく場面から始まる。他に異状がないことから大丈夫だと思い込んでいた男性だが、実は糖尿病が静かに進行しており、やがて取り返しのつかない状態になっていく…というストーリーだ。

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 また、このドラマ部分と並行して、実際に闘病中の当事者の現実も映し出している。山下和人さん(仮名)は合併症により自律神経を患い、立つこともままならない。それでも体内の毒素を取り除く腎臓の機能が低下しているため、病院で週3回、人工的に血液から毒素を取り除く人工透析を受けなければ、命の危険もあるという。

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 「18の時からだから、20年以上ほったらかしだったかな」と話す永山みえ子さん(仮名)は、糖尿病と診断されるも治療を受けず放置。結果、両足が壊死し切断を余儀なくされたという。

■映画化のワケ「“サイレントキラー”の恐怖を伝える機会が少ない」

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 糖尿病に注目した理由について堀江氏は「僕が理事を務める一般社団法人「予防医療普及協会」では、他にも“ピロリ菌検査しよう”とか、予防できる病気の啓蒙活動をしてきたが、特に糖尿病を選んだ理由は、歯周病と同じ“サイレントキラー”だからだ」と話す。

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 膵臓には血液中の血糖値を低下させるインスリンというホルモンを出すセンサー機能があるが、それがうまく働かなくなり、本当はインスリンを出さなければいけないのに、出なくなってしまうようになる。

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 映画の主人公の男性の足が出血したのは、ぶつけてしまったからだが、糖質が増えたことによって神経の機能が低下し、痛みに気がつかなかった。そして、そこから菌が入ってくるが、毛細血管もやられてしまっているので、免疫細胞が本来のように戦えずに死んでしまい、腐っていく。それでも痛くないので、気付いた時には足が真っ黒になっていた、ということだ。それで永山さんのように膝から下を切断、ということになってしまう。足を切断した人の50%以上が5年以内に死ぬというデータもあるので、もはやガンよりも怖い病気だ。

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 同様に、毛細血管を通じて血液をろ過している腎臓も使えなくなってしまうので、山下さんのように人工透析をせざるを得ないということになる。また、毛細血管がある網膜に影響が出て失明するケースがあるし、脳卒中、そして新型コロナウイルスの感染による重症化リスクも上がってしまうということだ。

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 ところが、こういう“恐ろしさ”を伝える機会が少なく、あまり知られていない。それは何故だろうと思って、この映画に行き着いた。実は医者とか、病院とか、製薬会社は、“お前ら、恐怖を煽って入院させようとしてるんだろ、薬を買わせようとしてるんだろ”、みたいなことを言われてしまうから、悪化した患者に起きていることであっても言いにくい。実際、協賛してくれそうな製薬メーカーとかに営業に行ったが、みんな断られてしまった。それも、“協賛することで儲けようとしていると思われたくない”という構造的な問題があるからだ」。

■EXIT兼近の不安「運動が嫌いだし、ラーメン2杯食べることもあるし…」

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 EXIT兼近大樹が「僕は運動が嫌いだし、1日にラーメン2杯食べることもあるし…」と心配そうな表情を見せると、「EXITは忙しいし、危険だ。睡眠時間が短くなることでもリスクはめちゃくちゃ高まる」と警鐘を鳴らす。

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 「主人公の男性は痩せていたし、他の方々もそこまで太っている感じはしなかったと思う。欧米人にはものすごく太っている人もいるが、あれは膵臓の能力が高く、血液中の糖質を全身に送って細胞に変えてしまっているから、あそこまで太れちゃう。逆に日本人はそこまで膵臓が強くないので、あそこまでデブになる前に糖尿病になってしまうということだ。つまり、そうした遺伝的な要因から、運悪く、先天的に糖尿病になりやすい方々もいるということだ。

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 一方、糖質の取りすぎだけでなく、運動不足や睡眠不足といった生活習慣からなってしまう人が大半だ。意識が高い人たちであれば普段から食事に気をつけたり、運動をしたりして、血糖値が上がらないよう努めていると思うし、僕がこうやって訴えれば、“怖いな”と感じて行動に移そうとすると思う。しかし、そうでない人はなかなか動かない。映像を見ていただければ分かると思うが、患者は人当たりの良さそうな、普通の人たちだ。でも他人に優しいからこそ、自分にも甘くなってしまう。

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 だからこそ、まずは検査だ。定期的に健康診断を受けましょうテレビ朝日の社員の場合、年に一回は健康診断があるので安心だろうが、タレントさんは無い場合もあるので、自主的に行ったほうがいい。もし血糖値やヘモグロビン、HbA1cといった指標が基準値を超えていたとしても、食事や睡眠の管理や運動などの努力、薬によって進行させないようにすることはできる。

 例えば腎臓の機能を元に戻すことはできないが、糖を排出させる薬や、膵臓の血糖値をコントロールする機能が働きやすくなる薬なども出てきているので、それらをミックスすることで、食事の量のコントロールが難しい人でも糖尿病を予防することもできる。糖尿病だと診断されれば保険も適用される」。

■「予防のための取り組みは、本当は国がやらないといけない」

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 映画『糖尿病の不都合な真実』について、「運転免許証の更新の時の講習で交通事故犠牲者の遺族の映像などを見せられるが、あれと同じだ。20分弱くらいで、YouTubeでも見られるので、ぜひ広めてほしい。小学校や中学校の保健体育の教材にも良いと思うので、先生たちにはどんどん勝手に流して欲しい」と語る堀江氏。

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 「特に、Twitterを見ているような人たちよりも、昼間っからパチンコに行っているような人にこそ見て欲しい。さっきも話した通り、人にも優しいし自分にも優しい人だし、居酒屋とかで会うと“いい人”なんだと思う。しかし人工透析にはものすごくお金がかかるし、社会全体で見れば医療費を圧迫する、“よくない人”だ。

 そしてこういうことは本来、国がやらないといけない。例えば歯周病は“万病の元”とも言われていて、歯が失われることで様々な病気に罹りやすくなってしまう。そこで国民の意識が歯の健康に向くよう、年に2回の歯科診療を受けない人については虫歯になった場合の治療費を全額負担にするよ、という施策を導入している国もある。そうやって、予防医療を受けるとインセンティブがあるような仕組みを作っていかなければならないと思う」。

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 これに対しリディラバ代表の安部敏樹氏は「自治体の中には、乳がん検診のチラシのデザインを変えただけで受けに来る人が増えたという事例を受けて、チラシをデザインしてくれた会社に助成金を出したという取り組みもある。この映画を流したパチンコ店には、再生回数に応じて協力金を支給するといった仕組みもいいかもしれない」とコメント。

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 最後に堀江氏は「今回は糖尿病の企画だが、検査などをすることで予防できる病気は他にもある。例えば胃がんになった人には、ほとんどのケースで胃にピロリ菌がいたし、大腸がんも、カメラを入れると見つかるポリープが成長したものであるケースが多い。あるいは子宮頸がんの原因の一つといわれるHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種について議論が続いているが、実は男性の咽頭がんの原因でもあると言われている。

 もちろん、他の病気に罹って死ぬことはあるわけだが、メジャーな病気に関しては予防することができるし、それをやらないのは損だよね、ということを訴えたい。これらは予防医療普及協会のウェブサイトにも載せていので、ぜひ見てほしい」と呼びかけた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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