この瞬間だけを見れば、おおよそ将棋番組には見えなかったかもしれない。そんなシーンが生まれていた。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Cリーグ第1試合、チーム豊島とチーム木村の対戦が5月22日に放送された。チーム木村の木村一基九段（47）、佐々木勇気七段（26）、池永天志五段（28）によるチームのサブネームは「エンジェル」。この名前にあやかり作戦会議室では全員が天使の羽根をつけて語り合うという、なんともレアな映像が誕生した。
タイトル歴もあり「将棋の強いおじさん」「千駄ヶ谷の受け師」といった異名もある木村九段、次世代のトップ棋士として期待が集まる佐々木勇七段と池永五段。異色の組み合わせではあるが、ユーモアたっぷりの会話力で木村九段がチームをまとめあげている。なおチーム名の由来は、池永五段の「天志」を「天使＝エンジェル」と読み替えたものだ。
参加している各チームは、大会オリジナルうちわを振ったり、はっぴに袖を通したりして作戦を立て、仲間を応援しているが「エンジェル」はその上をさらにいった。スーツ姿の3人の背中には、将棋番組では見たことがないような大きな天使の羽根が…。さすがに頭の上に輪がつくことはなかったが、羽根だけでもインパクトは十分だった。木村九段も「ところで、なんか…」と切り出すと、チーム名を考えた佐々木勇七段は「先生にこんな格好させちゃって、ちょっと申し訳ないんです」と苦笑い。再び木村九段が「私も50手前にして、こういう格好をするとは思いませんでした」と、ニヤリとした。
旺盛なサービス精神による思い切った“一手”は、狙い通りにファンの間でも大好評。「羽根かわいい」「残酷な天使のように…」「シュールすぎるやろｗ」「どうして冷静に話せるのｗ」と、今大会では1、2を争う大きな笑いが生み出されていた。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
