ワーワー騒ぐだけで“議論”ができていない…コロナ対策に“批判だけ”の国民とメディア
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(3枚)

 政府の新型コロナウイルス対策の効果に対する批判的論調について、25日の『ABEMA Prime』に出演したジャーナリストの佐々木俊尚氏が「みんな簡単に批判するが、もっと徹底的に監視しろというのか。もしそうなれば、今度は監視国家だとか言って怒るのではないか」と疑問を呈した。

・【映像】スタジオでの議論の様子

 「緊急事態宣言も水際対策も、日本が取れる措置はロックダウンができる欧米とは全く違う。台湾や韓国や中国の話を持ち出してくるが、強権的なやり方をしている国々だ。法律に違反して外に出かけたら逮捕する、入国者に対しても監視を強めて、違反した奴は即逮捕する、そういうことをやらないで1年半やってきたのが日本だ。それらが上手く行っていないとさんざん批判するが、じゃあガチガチの都市封鎖や水際対策をやったら、あんたらは拍手するのか?と。絶対しないだろうし、“なんてひどい管理社会になったんだ”と騒ぐに決まっている。そのくせに“何やってるんだ政府は、やり方が緩い、と怒る。そのタブルスタンダードが問題だ。

 また、きちんと法的な議論をすべきだという意見もあるが、それについてもみんながすぐに反対するし、そもそも議論がちゃんとできる土壌が今の日本のメディアの空間にあるのか。実際のところ、罵声を飛ばし合う、批判しやすいものを批判しまくる、だから今のような事態になっているのではないか。そのことを我々国民もメディアも自覚しないといけない。

ワーワー騒ぐだけで“議論”ができていない…コロナ対策に“批判だけ”の国民とメディア
拡大する

 そして議論というのは理想論や建前ではなく、リスクとベネフィットのバランスを天秤にかけて、どっちに重きを置くのかを決めることだ。しかし今のメディアで行われているのは、ただワーワー騒いで何か言った気になってるだけの絶望的状況だ。感染症対策というのは、どんなにやったって感染者や死者が出てくる“壮大な退却戦”なので、批判をしようと思えばいくらでも批判できる。だから今回のコロナ禍も、政府を批判したいメディアにとってはすごく“おいしい料理”だ。そうではなく、退却戦なんだから多少の被害は出るけれど、そのなかでもどれくらいまでなら被害を減らせるのか、とみんな考えるのが正しい議論だと思う」。

ワーワー騒ぐだけで“議論”ができていない…コロナ対策に“批判だけ”の国民とメディア
拡大する

 リディラバ代表の安部敏樹氏は「全く同感だし、もう少し言うと、リスクをとって発信をしている個人をちゃんと褒めるべきだ。議論に対して石を投げること自体、リスクがあるわけだし、今の佐々木さんの発言だってそういう行為だ。まずはここに対して評価をするのも基本だと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

スタジオでの議論の様子
スタジオでの議論の様子
「“森喜朗体制”や菅政権を調査報道するという役割を放棄し、国民の不安を煽っている」五輪開催をめぐり猪瀬直樹氏がメディアに苦言
「“森喜朗体制”や菅政権を調査報道するという役割を放棄し、国民の不安を煽っている」五輪開催をめぐり猪瀬直樹氏がメディアに苦言
ワクチン接種で脳出血が起きる?不妊症になりやすくなる?陰謀論も飛び交うワクチン接種と“副反応”情報のウソ・ホント
ワクチン接種で脳出血が起きる?不妊症になりやすくなる?陰謀論も飛び交うワクチン接種と“副反応”情報のウソ・ホント

■Pick Up

【Z世代マーケティング】ティーンの日用品お買い物事情「家族で使うものは私が選ぶ」が半数以上 | VISIONS(ビジョンズ)

この記事の写真をみる(3枚)