「コロナにはウオッカを飲めば大丈夫」奔放な発言も…“民間機ハイジャック”で国際社会から非難されるルカシェンコ大統領の人物像
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 東ヨーロッパのベラルーシで国際線の旅客機を当局が強制着陸させ、亡命していた反体制派の記者を拘束した問題。24日、日本の外務省は「今回のベラルーシ当局による民間航空機の強制着陸は国際民間航空条約に反する疑いがあり、更に、強制着陸させた航空機に搭乗していた特定の乗客を同当局が恣意的に拘束することは不当であって、日本政府として強く非難します」と外務報道官談話の中で強く主張した。

 ロイター通信などによると、ベラルーシ当局は23日、ギリシャ発リトアニア行きのライアンエア航空の旅客機に対し爆発物が仕掛けられた可能性があるとして、首都ミンスクに強制着陸させた。旅客機には反体制派の記者が乗っており、そのまま拘束されたという。

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 今回の強制着陸に強く関わっていると言われているのが、“ヨーロッパ最後の独裁者”とも呼ばれているベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領だ。1994年の第1回大統領選挙当選後、現在まで27年間におよぶ長期政権を誇っている。

 去年3月、新型コロナウイルスの感染が拡大する中「国内でのホッケーの試合を続けるか」という質問に対して「ひれ伏して生きるより死んだ方がマシだ」と発言し、話題になったルカシェンコ大統領。また、ホッケーの試合会場にいる観客に「ここは冷蔵庫のような温度なのでウイルスはいなく安全だ」と宣言していた。「コロナにはウオッカを飲めば大丈夫」などの奔放な発言を続けていたが、ルカシェンコ大統領自身も新型コロナに感染。その後無症状のまま回復した。

 さらに去年9月、ベラルーシの国営テレビ局は、首都ミンスクの大学教員の推薦がノーベル委員会に受理され、ルカシェンコ大統領が平和賞の候補者になったと報道。“ベラルーシへの外国勢力の侵略を許さなかった功績”が評価につながったとしているが、この報道について複数のロシアメディアは、この大学教員は実在せず冗談を集めたインターネットサイトの引用で誤報であると指摘した。

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 去年8月、6度目の当選を決めた大統領選挙の際には、ルカシェンコ大統領が不正を行い再選したとして選挙のやり直しや辞任を求め、10万人以上を超える人々が集まり大規模なデモ活動が行われた。今回ベラルーシ当局に拘束されたのは、この抗議デモの情報発信源となったニュースメディア『ネフタ』の創設者であるロマン・プロタセビッチ氏。ベラルーシ政府は『ネフタ』の関係者をテロリストに指定しており、プロタセビッチ氏はリトアニアに亡命していた。

 ベラルーシ政府は24日プロタセビッチ氏のビデオメッセージを公開。拘留先とみられる場所で「抗議デモを組織した容疑についての捜査に協力する」と話している。

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 今回の強制着陸について、去年の大統領選挙でルカシェンコ氏と争った野党指導者のスベトラーナ・チハノフスカヤ氏は「政権は諜報機関を巻き込み、戦闘機まで調達してプロタセビッチ氏を拘束するために民間機をハイジャックしたんです」と政権を痛烈に批判した。また、アメリカのブリンケン国務長官は「ルカシェンコ政権による衝撃的な行為はアメリカ国民を含む乗客の生命を危険にさらした」と外務省のホームページに記載。国際社会からも批判が相次いでいる。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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