GHCタッグ王者の“ジ・アグレッション”中嶋勝彦とマサ北宮が、まさかの仲間割れだ。
5・31ノア後楽園ホール大会で行われた、モハメドヨネ&谷口周平とのGHCタッグ防衛戦。試合中盤、中嶋の強烈なハイキックが北宮の顔面に誤爆。しばらく北宮は戦闘不能となり、ローンバトルを強いられた中嶋がピンチに陥るも、最後はヴァーティカルスパイク(垂直落下式ブレーンバスター)でヨネに勝利。GHCタッグ王座6度目の防衛に成功した。
試合後、王者組がレフェリーからベルトを渡され、勝ち名乗りを受けた次の瞬間だ。背中を見せた中嶋に対し、味方であるはずの北宮がサイトースープレックスでマットに叩きつけると、予想外の展開に場内からは悲鳴が。そして北宮はマイクを握ると、中嶋を罵倒し始めた。
「何をヘラヘラしてんだ、このヤロー! ハナっからいけすかねえんだよ。故意なんだか確信犯だか知らねえけど、たった一発の誤爆でもうガマンならねえんだ。もういっぺん、ハッキリ言っといてやるよ。10年前から健介オフィスに入門したその日から、てめえのことが嫌いで、嫌いで、大っ嫌いだったんだよ! てめえとは最後だ。もう無理だ!」
中嶋と北宮は、もともと健介オフィス(ダイヤモンドリング)の先輩後輩の関係。ノアに移籍してからはタッグを組んできたが、2019年10月、北宮はひとり金剛入りを果たすと、「8年前、健介オフィスに入門したその日から、中嶋勝彦、てめえのことが心底気にくわねえ。心底嫌いなんだよ!」と、痛烈な言葉で積年の恨みを吐露。
以後、敵対関係にあったが、昨年、中嶋が金剛入りすると、12.26「金剛興行」でタッグを再結成。今年に入り、3・7横浜武道館大会では、2020年プロレス大賞最優秀タッグ賞を受賞した杉浦貴&桜庭和志を破り、GHCタッグ王座に就いていた。これによって、北宮の「中嶋勝彦、てめえが心底嫌いなんだよ」発言は水に流したものと思われていたが、北宮の心の中で火種は燃え続けていたのだ。
タッグ王座防衛直後の北宮の乱心に、拳王をはじめとした金剛勢も困惑の表情を浮かべていたが、北宮は「拳王、世話んなったな」と言い残すと、中嶋に三下り半を突きつけ、GHCタッグのベルトを持ったまま、金剛への決別宣言を残してして去っていった。
現役のタッグ王者同士によるこの仲間割れ。はたしてGHCタッグ選手権は今後どうなるのか、そして北宮と中嶋は今回の件をどう決着つけるのか?