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 開会式まで50日を切る中、東京オリンピックの開催をめぐり、連日様々な議論が繰り広げられている。一方、8月には東京パラリンピックの開催も控えている。スポーツライターとしても活動してきた作家の乙武氏は「パラリンピックについて議題に上がってこないことに本当に腹が立っている」と話す。

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 「IOC=国際オリンピック委員会についても、みんな“憎きバッハ会長”みたいになっているが、IPC=国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長については、みんな名前すら知らないだろう。オリンピックの選手たちは各国が威信をかけて対策し、PCR検査をやった状態で来るので、そこからウイルスが広がることは考えにくいだろうが、数万人のメディアや関係者から広がっていくことは容易に想像が付く。

 パラリンピックの開幕は、その1カ月後だ。仮に感染が再拡大していた場合、やれるのかなと思う。正直言って、パラリンピックは放映権料もオリンピックほど高くはない。“だったらやめてしまおうぜ”という声がオリンピック以上に高まるかもしれない。オリンピックは目をつぶってやったけど、パラリンピックはやれませんでした、というシナリオも、最悪の場合あるのではないか」。

乙武洋匡氏氏「パラリンピックの開催について議論されないことに腹が立つ」
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 スポーツ分野の国際的な契約に詳しい、弁護士で立教大学教授の早川吉尚氏は「開催都市契約はIOCとIPCで別途結んでいるが、IOCが使った後の会場をIPCも使うということになっているので、やはり切っても切れない関係にある。日本側としては、IOCとの関係では契約は契約違反をして履行しない(会場を貸さない)、IPCとの関係では履行する(会場を貸す)という選択肢も論理的にはあり得る。しかし一方では損害賠償を負い、一方で負わないという関係になってしまうし、国際的なスポーツ大会は5年、10年先まで“入れ子構造”のように計画が立てられている。1年延期できたこと自体が奇跡だと言われているところ、さらにずらすとなると、いわば100通りのパズルを解くような形になってくる。秋に延期というのが実現できない理由にも、そういうことがあると思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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