なぜ今になって将棋界で「にゃんぱすー」が増え始めたのか。全ては日本将棋連盟常務理事である、鈴木大介九段(46)が始まりだった。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」で、鈴木九段は佐藤天彦九段(33)をリーダーとするチーム天彦に、古賀悠聖四段(20)と参加。今大会から、各チームがTwitterアカウントを持ち、日々発信することになったが、鈴木九段最初の投稿が「にゃんぱす~」だったことが、全ての発端となった。
「にゃんぱすー」は人気アニメ「のんのんびより」のキャラクター・宮内れんげによるセリフ。2013年のアニメ流行語大賞にも選ばれたもので、右手を挙げながら脱力感のある感じで「にゃんぱすー」と言うあいさつだ。
鈴木九段がチームアカウントでの初投稿で、この「にゃんぱすー」を用いたことが、佐藤九段も「メールでやり取りをしている時にも『にゃんぱすー』とあいさつされていて。このノリいいなと思っていた」と、チーム名にまで採用することを決めた。
当の鈴木九段は「Twitterが初めてだったから、何書いていいかわからなくて」と笑っていたが、将棋界では耳慣れなかったワードが瞬く間に浸透。今では「結構大盤解説でも言う」と、定番になりつつあるという。なお、日本将棋連盟会長である佐藤康光九段(51)から言葉の意味を聞かれて困ったというエピソードもTwitterで紹介されている。
鈴木九段の父親はアニメーターの、鈴木康彦さん。各種テレビ番組の作画を担当し、将棋雑誌の挿絵も担当したことがある。「(自分は)絵心がない」というが、アニメ好きという点はしっかりと受け継いでいた様子だ。
チーム最年長ながら鈴木九段がその明るい性格でムードを盛り上げるチーム天彦。戦いの場に集まった時のあいさつも、きっと「にゃんぱすー」だろう。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)