9日、国会で2年ぶりに党首討論が開かれたが、新型コロナ対策や東京オリンピックの開催をめぐって、議論がかみ合わない場面が目立った。
【映像】突然、高校生時代を語る菅総理に枝野氏も呆然…党首討論の様子
菅総理の答弁について、ニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演した明星大学心理学部准教授で臨床心理士の藤井靖氏は「『あっち向いてホイ論法』と名付けたい印象だ」と批評。「相変わらず連想ゲームのようなコミュニケーションだ」と語った。
「例えば立憲民主党の枝野党首が『緊急事態宣言といえば?(そこから連想されることを話してください)』と質問したかのようなやり取りだった。以前、安倍前総理の在任中に『ご飯論法』というのが話題になったが、菅総理はまるで‘‘あっち向いてホイ’’のような、指し示された質問とはあえて違う方向を向いて話さなければ負けだ、というような姿勢にも感じられるものだった。唯一、維新の片山共同代表がオリンピックに関する総理の責任が限定的である旨を含めて質問したときのみ、同じ方向を向いたように思う」
続けて藤井氏は「話の中身をみると、『専門家』『海外の状況』『オリンピック選手』などのエピソードに言及しながら責任の分散や回避をしているような印象もあるし、持論を強調して昔話もふんだんにしながら、長広舌で時間を潰すような姿勢も見受けられた」と指摘した。
また、藤井氏は菅総理の口癖についても気になっている点があるという。「『そのように』『というふうに』『そうした』『こうした』という、いわゆる“こそあど”が含まれている言い回しが多いこと。これは例えば『△△だと思います』とシンプルに言うのと違って、自分が発した言葉と自分自身に一線を引き、いわば言葉に自分の言葉に熱や体重を乗せないという姿勢でもあり、これも先述した責任を回避するような心理にもみえる」
「また一般に、こそあど言葉を使う場合は“楽して説明を終わりたい”という心理の表れとも考えられるので、丁寧に説明したり、率直に質問に答えるという気持ちが少ないのかと想像してしまう。仮に具体的に説明していても文末の文言がぼやけると伝わりにくくなるので、それが国民に思いが伝わってきにくい一つの要件でもあると思う」
(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)
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