有村藍里も悩む「皮膚むしり症」 6歳で発症した経験者が語る治療“3つのステップ”と専門家による習慣逆転法とは
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「昔から指先のささくれをむしり取る癖があって、常に炎症起こして赤く腫れてました。皮膚むしり症と言います。無意識にむしり取ってしまいます」

【映像】有村藍里さんが公開した“指先” 爪周辺の皮膚がむけている

 8日、Twitterで自身が「皮膚むしり症」であることを告白したタレントの有村藍里さん(30歳)。「昔から癖だった」という症状について「もちろん出血もしますし、指先がずっとズキズキ痛いし、見た目もよろしくないので、やめたいのにやめられない…同じ癖を持つ人がたくさんいることを知りました」と赤裸々につづった。

 この投稿に、ネット上では共感の声が相次いで殺到。「私も同じで、ささくれ無くても無理矢理むいちゃう程です」「小さい頃からこの癖に悩まされていたけど皮膚むしり症と言うんですね…」「同じく!! やめたいけどやめれない」といった声が多く寄せられた。

 「皮膚むしり症」とは、一体どのような病気なのだろうか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、過去20年間にわたってこの病気と向きあってきた、takiさんを取材した。

有村藍里も悩む「皮膚むしり症」 6歳で発症した経験者が語る治療“3つのステップ”と専門家による習慣逆転法とは

「皮膚むしり症は心の病気、精神疾患に分類されていて、ストレスがきっかけで皮膚をむいてしまうと言われています。他人も病気だと分かりませんし、その頃は僕自身も『変な癖だな』と思っていて、病気だということを知りませんでした。周りの人の理解がない中だったので、すごくつらかったです」(以下、takiさん)

 6歳の時に「皮膚むしり症」を発症したtakiさん。以来、無意識に皮膚をむしってしまう行動に悩む日々だったという。

「家に帰って一人になったときに無意識でむいてしまう。手の皮膚をむいていたときには、仕事に影響がありました。接客などは手を見られることが多いので、手を隠すように行動していました」

 そんなtakiさんが、皮膚むしり症を克服するきっかけになったのは“転職”だった。仕事環境の変化によって、ストレスが軽減された。

「転職する前は仕事でストレスを抱えて、毎日皮膚をむいてしまっていた。けれど、転職をして仕事環境が変わったことで、ストレスも軽くなりました。それによってだんだん皮膚むしり症も治っていきました」

 病院に通うことなく、自分自身で病気を克服していったtakiさん。現在は、自身の経験を活かし、皮膚むしり症に関する情報をYouTubeやTwitterなどで発信している。takiさんによると、症状克服のためには「皮膚」「心」「環境」の3つを改善することがポイントだという。

有村藍里も悩む「皮膚むしり症」 6歳で発症した経験者が語る治療“3つのステップ”と専門家による習慣逆転法とは

「まず、皮膚の改善がステップ1です。具体的には保湿クリームを塗ったり、ばんそうこうで皮膚をガードしたりします。ステップ2は、心の改善。密接な関係にあるストレスを解消する行動をする。僕は息抜きとして、絵を描いたり、料理を作ったり、植物を育てたり、ものづくりをしたり、などを行いました。ステップ3は環境の改善です。ストレスの原因は、仕事や学校、恋愛、家庭のことなど、いろいろあると思いますが、僕の場合は仕事が主な原因でした。最後に仕事の環境を改善することで、皮膚むしり症が治りました」

 その上でtakiさんは、皮膚むしり症に悩む人に向けて「一人で苦しまず、仲間と支えあいながら病気を克服していって欲しい」と訴える。

「僕が苦しんでいたときは、自分ひとりがおかしな人だと思い込んでしまっていた。検索しても病名は出てこないし、同じような症状の仲間がいなかった。ずっと一人で苦しい想いをしてきたけれど、今は簡単に人とつながることができて『なんだ、仲間ってこんなにいるじゃないか』と。仲間がいる安心感で心の負担も軽くなっていくと思う。みんなで支えあいながら症状を軽くすることができたらうれしい」

 「皮膚むしり症」などの嗜癖(しへき)に関わる病気について、明星大学心理学部准教授で臨床心理士の藤井靖氏は「一般的には習慣逆転法や曝露(ばくろ)反応妨害法といった認知行動療法がよく効く」と話す。

有村藍里も悩む「皮膚むしり症」 6歳で発症した経験者が語る治療“3つのステップ”と専門家による習慣逆転法とは

「自分で趣味的に苦痛なくやっている癖ならいいが、実際に『やめたいけれどやめられない』という人もいる。『皮膚むしり症』もいわゆる“強迫症”の一種だといわれている。takiさんの対策は、専門的な対処と近い部分があった。この病気は無意識でやってしまうことが多い。よく使われる習慣逆転法は、まず行動を“意識下”に置くために、日常の場面で癖が出てしまう状況や感情、時刻を記録していくというセルフモニタリングを行う。すると、背景にあるストレスや緊張などに気づいていけることが多い」(以下、藤井靖氏)

「もう1つは拮抗反応といって、あえて違う刺激を身体に与える方法だ。例えば皮膚をむしりたくなったときに、指を手のひらに入れるようにグッと握る。指先には掌に触れている感覚が生じる。それで2分待つ。すると『むしりたい』と思った欲求が少し抑えられる。また、癖を身体的に妨げれば、段々と筋肉が古い習慣を忘れていき、癖を行う回数が減っていく。これを繰り返すことによって、皮膚をむしる回数がだんだん減っていく。最初のうちは拮抗反応を生じさせても癖が出てしまう場合もあるが、1つ新しい行動が挟まれることによって、むしるまでの時間を延ばすことで、1日の中でやる回数も減っていく」

「その他、腹式呼吸や筋弛緩法などでリラックスし、ストレスの軽減につなげたり、治療の過程では友人や家族が励ますなど心理的サポートも組み合わせられると、克服がより早くなることが多い」

 一見、他人には『癖なんだからやめればいい』と思われてしまいそうな、皮膚むしり症。やめたくてもやめられない当事者の苦しみに寄り添い、時間をかけて治療を支援する必要がありそうだ。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

【映像】有村藍里も悩む「皮膚むしり症」 経験者&専門家が明かす対処法
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