先月24日、パンと洋菓子店の生産工場が全焼した。カヌレの生産ができなくなった店主のドミニクさんが11日、“工場の再建”を誓いクラウドファンディングを始めた。
【映像】「今まで以上のカヌレを作る」店主・ドミニクさんが涙ながらに誓う再建
三重県鈴鹿市にあるパンと洋菓子の人気店『ドミニクドゥーセの店』では、来日して35年目になるフランス人の店主・ドミニクさんがフランスの洋菓子「カヌレ」を焼き、全国に出荷していた。
昨年は、新型コロナの影響で商品がレストランやイベント会場に出荷できず、大打撃を受けたが、最近では客足も増え、ダメージを乗り越えつつあった矢先の火事だった。ニュース番組「ABEMAヒルズ」の取材に対し、ドミニクさんは次のように語る。
「現場に着いて、私たちもうこれで終わり(だと思った)。人生いろいろあったけど、いつも乗り越えて乗り越えてやってきて、正直『これは乗り越えられないでしょうね』と思いました。次の日、明るい時に(現場を)見たら『わー、どうしようかな』と。思ったよりひどい現場だったんです」
現場は、オーブンや冷蔵庫など何もかもが焼け落ち、中でも開発からこだわった銅の型が熱で変形してしまい、カヌレが作れなくなったという。
「私の(カヌレの)型は特注です。1万5000個あった型が、24個しか残っていないです。一生懸命24個、毎日何回か焼いていますが、今まで1万4000個焼いていました。カバーできない。カヌレは私の命です」
ドミニクさんは、店の従業員、商品を卸していた取引先、そして自分のカヌレを愛するお客さんのために“工場の再建”を決意。友人の助けを借り、11日からクラウドファンディングを開始した。
クラウドファンディングにはすでに260人以上から支援が寄せられ、「ドミニクさんのカヌレが大好きです。1日も早い復活を祈っています。頑張ってください!」「応援しています!またあの美味しいカヌレが食べられるのを、楽しみにしています」といった応援のメッセージが届いている。
クラウドファンティングの目標額は1500万円。再びカヌレを作るために、ドミニクさんは涙を流しながら“決意”を語った。
「私はもう1度、ゼロからカヌレを作ります。今までも美味しいカヌレだったかもしれませんが、それ以上のカヌレを作るつもりです。これを乗り越えたら、来年か再来年かわかりませんが、日本全国まわってカヌレを届けに行くと約束します。本当の約束です。私が何とかしなきゃいけないなって思っています。日本全国、日本人、助けてくれる人は、必ず(恩を)お返しします」
(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)
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