目のアイコンと共にスクロールするレシピサイトのページ。アイコンが下に動くと、ページも下の方へと動いていく。使っているのは、人の目線でスマートフォンのブラウザをスクロールできるアプリだ。
【映像】叶姉妹の写真に“目線”がいきつつも…しっかりページが動いている様子
ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、このアプリを個人で制作したリルオッサさんに、開発のきっかけを取材した。
「料理をしていると手が濡れて、画面に触るときにいちいち手を拭かないといけないことが面倒くさかった。レシピは目で見ているし、目でページをスクロールできたらその問題を解決できそうだと思った。そこから目の動きを取得して、ページをスクロールできるようなアプリを個人的に開発した」(以下、リルオッサさん)
このアプリを使って叶姉妹のブログを見ている様子を紹介したところ、およそ18万回再生されるなど、多くの反響があったリルオッサさん。実は、ブレイクダンスの世界大会で活躍したプレイヤーだった。
「よく回るダンスとして有名なブレイクダンスをやっていました。ダンスは小学校の頃からやっていて、それを今まで続けている感じです」
リルオッサさんは20歳のときに、ドイツで開催されたブレイクダンスの世界大会に日本代表として出場。世界2位になった経歴を持っている。
ブレイクダンスで、世界トップレベルの実力を持つリルオッサさん。しかし、ダンスで生計を立てることはなく、仕事は工場で肉体労働。スマートフォンのアプリを制作するようなエンジニアとは無縁の人生だった。
「最初は子供にアプリをつくってあげようと思って。それが去年の6月くらいです。ただ、作った経験がなかったので、そこから作ろうと思って勉強を始めたら『これはちょっと面白いぞ』となった。ダンスでも同じですが、頭に描いたものを形にして表現することが好きなんです。だから『プログラミングを使えば今まで自分が手に届かなかったものを作れる』と知って、すごいはまった。作るのも楽しいし、頭の中で組み立てていくことも楽しい。それを実際に誰かに使っていただいて、その人たちが喜んでいる姿を見ると『自分も作って楽しいのに、誰かに使ってもらって楽しいなんて最高じゃないか』と思った。こんな仕事ができたらすごくいいなと思って、転職活動を始めました」
子どもがきっかけで1から独学で始めたプログラミングの勉強。朝3時に起きて1日3時間ほど勉強した後、仕事に向かう生活を続けた。そして、リルオッサさんのアプリ開発は趣味にとどまらず、今年からiOSのアプリエンジニアに転職。「35歳定年説」がささやかれるITエンジニアの世界に33歳からの挑戦だった。怖さはなかったのだろうか。
「まぁダメだったらダメだし、ダメじゃなかったらダメじゃないし、と思って(笑)。そこは気にせず挑戦しました。家族も僕の性格を知っているのか『自分がやりたいことならやったら?』と後押ししてくれた。前職では帰宅がやっぱり9時とか10時とか遅いことが多くて、(家族が)寝ているときに帰ることが多かった。エンジニアとして、時間に融通が利く仕事ができるようになって、子供が起きている時間に家に帰れるようになった。アプリとは関係ないですが、子供と一緒に遊べる時間が増えたことで、一緒にバカ騒ぎして楽しんでいます」
(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)
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