「埼玉県警はビビってた」ネットカフェ立てこもりでの指摘に元刑事が怒り「頭に来ている。100%確実な状況での決断だ」反論も
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 17日にさいたま市・大宮区にあるインターネットカフェで起こった女性店員を人質とした立てこもり事件は、発生からおよそ32時間後に解決。監禁された女性店員は首などにけがをしたものの無事保護され、林一貴容疑者(40)は逮捕、送検された。

【映像】「頭に来ている」元埼玉県警の刑事が反論

 解決までに長時間を要したことについて、ある警察ジャーナリストは「埼玉県警はちょっとビビっていた。責任を取りたくないといった理由で突入が遅れているのであれば、言語道断」など苦言を呈したが、その発言に「頭に来ている」と不快感を露わにしたのが、埼玉県警捜査一課の元刑事である佐々木成三氏だ。

 解決までにおよそ32時間を要したことについて佐々木氏は「人質立てこもり事件の第一優先は被害者の身の安全だ。立てこもりで突入して、被害者にけがを負わせる。もしくは被疑者が自殺するといったことは突入の失敗になる。決断する時というのは、100%被害者を救護できるタイミングでなければ、突入はできない」と述べると、今回の立てこもり事件の難しさについて「密室であり、被害者と犯人がかなり近い状態で、(犯人が)凶器を持っている状態だった。警察は事前にマスターキーで中に入ることができないこともわかっていたので、突入するときにどうしてもタイムラグがあるという中で、何か物音、犯人側に刺激を与えてしまうと、刃物の矛先がすぐに被害者に向けられる状態だった。突入にリスクがあるというのは、早い段階から考えていたはず。そうなると説得をして、交渉するのがベストという考えだったのでは」と解説した。

 ある警察ジャーナリストの発言について「ちょっと頭に来ています。OBの方なのでなおさらだが、ビビっていることはない。かなり強い姿勢で、警察は突入できる状態は維持していた」と語った佐々木氏は、事件の舞台裏について「被害者に命の危険が及ぶような、危害が及ぶようなことがあれば、すぐに突入できる状態を32時間ずっと維持していた。さきほども被害者の身の安全を第一優先にと話したが、これが犯人逮捕という優先であれば、すぐに突入していた。そうではなく、被害者の身の安全を考えていたので、ビビっていたわけではない。強い姿勢を常に維持していたということだ」と続けた。

「埼玉県警はビビってた」ネットカフェ立てこもりでの指摘に元刑事が怒り「頭に来ている。100%確実な状況での決断だ」反論も
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 32時間という長期戦となった今回の事件について「現場は交代制になるのか」と聞かれた佐々木氏は「しない。常に同じ捜査員だ」と答えると「突撃や扉を開ける準備をするなどシチュエーションごとの想定は常に組んでいる。捜査員を交代したら、そのシチュエーションが全く変わってしまうこともある。交代しているときに何かトラブルになることもあり得る。ネゴシエイターもしかり、現場に入っていた警察官は常に同じメンバーで、長時間緊張感を維持しながら、いつでも行けるという姿勢を示していた」などと説明した。

 立てこもり事件に対応したのは、埼玉県警捜査一課にあるSTS(特殊犯捜査係)。氏いわく「スペシャリスト部隊」で、誘拐や立てこもりを前提とし、最悪の事態を招かないために特別な訓練を積んだ部隊だというが「現場での交渉とは別に、犯人の人物像や過去の犯歴、粗暴性の有無などの調査を並行して行い、現場と連携をとりながらの対応だった。そのため、ネゴシエイターは発する言葉一つをとっても、何が犯人を刺激する“NGワード”かがわからず難しかったのでは」との推察も。

 過去の利用履歴から名前は早い段階で分かっていたのだろうとも語った佐々木氏だが「今度は名前と立てこもっている人物が同一かどうか確認する必要がある。まったく異なる人物の情報をもとに交渉することは失敗につながる場合もある。地道に、確実な情報を、確度をあげて裏付けをしながら情報を共有していったということ」など、情報捜査と確定に時間を要した側面もあると指摘した。

 そのうえで佐々木氏は、今回の事件について「被害者の身の安全、救護。犯人さえも自殺させてはいけない。さらに警察官も受傷事故をさせてはいけないルールがある。同じ扉で突入訓練をするなど、それだけでも時間を要する。見切り発車での突入をしてはいけない。決断と言うことに関しては、ビビっていたわけではなく、100%確実な状況下での決断をした。結果として32時間かかったが、被害者の身の安全を確保し、被疑者を逮捕した。100点満点の捜査だった」と振り返った。(ABEMA『ABEAM的ニュースショー』)

【映像】「突入になぜ32時間?」警察批判に元刑事反論「100%な決断」
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