わずかな違和感に気付けるか 女流棋士の観察眼にトップ棋士も「すごい読みですね」と脱帽
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(2枚)

 ほんのちょっとした違和感に気付けるだろうか。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」の予選Dリーグ第2試合、チーム永瀬とチーム天彦の対戦が6月19日に放送された。この第4局は永瀬拓矢王座(28)と佐藤天彦九段(33)による白熱のリーダー対決になったが、大盤解説で聞き手を務めていた上田初美女流四段(32)が、わずかな違いを指摘。解説していた松尾歩八段(41)やファンを驚かせることになった。

【動画】聞き手を務めた上田初美女流四段

 上田女流四段はタイトル2期の実績を誇り、夫も及川拓馬六段(34)という将棋夫婦。対局で活躍する一方、聞き手としても的確かつユーモアにも富んだトークで、対局を盛り上げることで知られている。

 永瀬王座と佐藤九段という、タイトル戦級の好カードが超早指し戦で争われる中、永瀬王座が駒台に置かれた駒をきれいに並べ直していたが、ここで上田女流四段があることに気づいた。

 上田女流四段 桂馬だけちょっとずれてるってことは桂馬を打つんですかね。

わずかな違和感に気付けるか 女流棋士の観察眼にトップ棋士も「すごい読みですね」と脱帽
拡大する

 駒台には角が2枚、金が1枚、歩が2枚あったが、確かに桂馬だけが右下にずれたところに置いてある。普通であれば、歩の横にでも並べておく方が、バランスはよさそうだ。すると、上田女流四段の指摘どおり永瀬王座は、次の瞬間▲7九桂と自に打ち込んで守りを補強。駒台を整理し始めてから打ち込むまで、わずか10秒ほどの出来事だったが、上田女流四段はこれを見逃さなかった。

 これには解説・松尾八段も「本当だ、すごい読みですね。それは気づかなかった」と脱帽。ファンからも「初美の読みは恐ろしい」「盤面以外も広く見てる」「素晴らしい着眼点」と絶賛のコメントが相次いだ。ABEMAトーナメントは持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算という超早指し戦。わずかでも無駄を省こうとした永瀬王座が無意識で取った行動だったかもしれないが、数多くの対局で聞き手を務めてきた上田女流四段の観察眼の鋭さが実証される出来事になった。

◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。

ABEMA/将棋チャンネルより)

松尾八段の声がかっこいい!
松尾八段の声がかっこいい!
増田六段のウエイトトレーニングの成果!?
増田六段のウエイトトレーニングの成果!?
鈴木九段が屋敷九段に泣かされたエピソード
鈴木九段が屋敷九段に泣かされたエピソード
この記事の写真をみる(2枚)