武藤敬司の“悪の化身”グレート・ムタが、1年1カ月ぶりにノアマットに降臨。6.27『MUTA the WORLD powered by ABEMA』で、拳王を文字通りムタワールドに染めて見せた。
6月13日に無観客TVマッチとして行われた『三沢光晴メモリアル2021 powered by ABEMA~この日を忘れない~』でグレート・ムタは、拳王vs井上雅央の試合後に突如現れ、拳王の顔面に緑の毒霧を噴射! ムタ流の宣戦布告を行い、この日、初の一騎打ちを迎えた。
ムタはゴングが鳴ると、いきなり場外にエスケープしてリング下で凶器を物色。さらにリングの周りを飛ぶドローンカメラを追いかけ回すなど“型にハマらない”ムタワールドを展開。苛立つ拳王がリング下に降りると、待ってましたとばかりにカメラコードで首を絞め、のっけからやりたい放題だ。
このムタのペースを崩そうと、拳王はリングに戻ると張り手から投げっぱなしジャーマンで反撃開始。ローキック連発からアンクルホールドを極めるが、ムタはロープブレイク。しかし、頭に血が上っている拳王は技を解かずブレイクを促すレフェリーを突き飛ばすが、その隙を見てムタは拳王の顔面に赤い毒霧を噴射!
毒霧で目をやられ悶絶する拳王に、ムタはフラッシングエルボーからSTF。ロープブレイクになると、今度はコーナーに振って、串刺しシャイニングウィザードから噛みつき攻撃だ。
ムタの再三の反則にキレた拳王は、怒りのミドルキック乱れ打ちから、串刺しダブルニーアタック、ダブルフットスタンプでムタを追い込む。そしてセコンドからオイルのようなものを受け取ると、レガースに火をつけて燃えさかる脚で蹴暴(サッカーボールキック)!
たまらず場外にエスケープしたムタに対して、拳王はコーナー最上段からダブルフットスタンプを敢行! そしてセコンドの金剛総出でストンピングの乱れ打ち、これをレフェリーが制すると、その一瞬の隙にムタは手から炎を出し、それを顔面に浴びた拳王が再び悶絶。やはり火の扱いはムタが一枚上だ。
そして、ここからはムタの独壇場。リング内にパイプ椅子を持ち込み、拳王にイス攻撃。制するレフェリーを振り払うと、イスを奪った拳王の顔面に緑の毒霧! そしてイスを土台にしてのシャイニングウィザードを決めると、最後は正調シャイニングで、拳王から完璧なカウント3を奪った。
この試合で拳王は、ムタのお株を奪うような火を使った蹴りを出したが、それはすでにムタワールドに引きずり込まれていたということだろう。最後は赤と緑の毒霧で顔と金髪をぐちゃぐちゃにされ、文字通り“ムタの色”に染められての屈辱のフォール負けとなった。
一方、やりたい放題で拳王に圧勝したムタ。2021年上半期はムタの“最大のライバル”である武藤敬司がMVP級の大活躍を見せたが、下半期はムタがノアマットに悪の花を狂い咲きさせそうだ。
文/堀江ガンツ